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プラスチックリサイクル 技術解説 | Troy Technical

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TECHNOLOGY EXPLAINER

プラスチックリサイクル(マテリアルリサイクル)
― 「リサイクル率◯%」は、分母と分子を読むまで意味が決まらない

同じ日本の廃プラスチックについて、公的な資料から「22%」「89%」という二つの数字を出すことができます。 世界全体を扱うOECDは「9%」、日本のPETボトルは「85.1%」です。どれも誤りではありません。 違うのは、何を分母に置き、何を分子に数えたかです。 この記事では、溶かして再び樹脂にするマテリアルリサイクルを、数字の定義・工程・品質・制度の順に整理します。

構成:プラスチック循環利用協会、OECD、Eurostat、EUの法令(PPWR ほか)、環境省・経産省、PETボトルリサイクル推進協議会、査読論文を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

明るく清潔なリサイクル工場で、圧縮された梱包、コンベア上の選別、洗浄された樹脂フレーク、押出機から出るストランドと再生ペレットが左から右へ並んでいる様子
イメージ図(AI生成)。「選別し、洗って砕き、溶かして粒(再生ペレット)に整える」というマテリアルリサイクルの流れを、工場の場面として描いたものです。実在の工場・設備・製品、実際の色や粒の大きさを示すものではありません。
この記事の構成
  1. プラスチックリサイクルとは何か(3行でつかむ)
  2. 日本の廃プラ769万tはどこへ行くのか(2023年実績)
  3. 本稿の計算:同じ「リサイクル率」でも定義で数字が変わる
  4. 素材技術者の視点①:分母と分子を読む
  5. マテリアルリサイクルの工程 ― 選別・粉砕・洗浄・溶融・再ペレット化
  6. 素材技術者の視点②:なぜ品質は落ち、ばらつくのか
  7. クローズドループとカスケード ― バージン樹脂との関係
  8. PETボトルの実例 ― 分母と分子を実際に計算する
  9. 制度:EUのPPWRと日本のプラスチック資源循環促進法
  10. 素材技術者の視点③:リサイクルのしやすさは設計で決まる
  11. 課題と、本稿で確認できなかったこと
  12. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公的機関・業界団体・法令・査読論文に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=法令上の予定・計画・目標であり、実績が確認できていない事項
このほか、高分子化学や工程の一般的な説明は「解説」として区別しています。調査会社の市場推計は使っていません。

1. プラスチックリサイクルとは何か(3行でつかむ)

3行でつかむ
  • マテリアルリサイクルは、使用済みの樹脂を回収・選別・洗浄し、溶かして再び樹脂(再生ペレット)にする方法です。日本の統計では、燃料にする「サーマル」や、化学原料に戻す「ケミカル」と区別して数えます。
  • 回収量の統計は多くあっても、定義がそろっていません。分母が「排出量」か「販売量」か、分子が「回収したもの」か「再生品になったもの」か、輸出分を含むかで、数字は何倍も動きます。
  • 品質が落ち、ばらつくのは樹脂の分子が加工のたびに傷み、混ざり物が避けられないからです。そのため、制度(EUのPPWRなど)は「何%入れよ」だけでなく「リサイクルしやすく設計せよ」へ広がっています。

本シリーズ「熱可塑性と熱硬化性」編で扱うとおり、リサイクルで溶かし直せるのは主に熱可塑性樹脂です。 熱硬化性樹脂やCFRPの扱いは、本シリーズ「CFRPと複合材料」編で触れます。 化学の力で分子に戻す方法は、本シリーズ「ケミカルリサイクル」編で詳しく扱います。

2. 日本の廃プラ769万tはどこへ行くのか(2023年実績)

日本の公的な統計の中核は、プラスチック循環利用協会が毎年まとめるマテリアルフロー図です。 本稿が確認できた最新版は2024年12月発行の「2023年」版で、 廃プラスチックの総排出量は769万t、うち有効利用は688万t(89%)、未利用(単純焼却と埋立)は81万t(11%)とされています事実。

日本の廃プラスチック769万tの行き先(2023年) 帯の長さは量に比例(プラスチック循環利用協会の区分。ガス化は用途で化学原料/燃料に振り分け)171195236サーマルリサイクル(エネルギー回収) 492万t(64%)有効利用 688万t(89%)未利用 81万t(11%)マテリアルリサイクル 171万t(22%)ケミカルリサイクル 26万t(3%)固形燃料・セメント原燃料 195万t(25%)ガス化(燃料利用) 14万t(2%)発電焼却 236万t(31%)熱利用焼却 47万t(6%)単純焼却 58万t(8%)埋立 24万t(3%)※ 量(万t)と割合(%)は協会の公表値。各区分の合計は四捨五入のため771万tとなり、総排出量769万tと一致しません。 ※ サーマル492万t・64%と有効利用688万t・89%は、協会の区分を足し合わせた確認(本稿の計算)です。 ※ 「ケミカル」26万tには高炉・コークス炉原料、ガス化(化学原料利用)、油化を含みます。
図1 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。各区分の量(万t)はプラスチック循環利用協会「マテリアルフロー図 2023年」[参考資料1]の数値です。帯の長さは量に比例させた作図で、合計は四捨五入のため771万tとなり、協会の769万tとは一致しません。「サーマル」「ケミカル」「マテリアル」の区分と、ガス化の振り分けは同協会の定義に従っています。
区分(協会の分類)量廃プラ総排出量に占める割合備考
マテリアルリサイクル(再生利用)171万t22%うち使用済製品由来141万t、未使用品(生産・加工ロス由来)30万t
ケミカルリサイクル26万t3%高炉・コークス炉原料/ガス化(化学原料利用)/油化
サーマルリサイクル(エネルギー回収)492万t64%固形燃料・セメント原燃料195、ガス化(燃料利用)14、発電焼却236、熱利用焼却47(万t)
未利用(単純焼却+埋立)81万t11%単純焼却58万t、埋立24万t(四捨五入のため合計が合わない)

量・割合・備考は協会の公表値[参考資料1]。サーマル492万tと64%は、協会が示す四つの区分の量・割合を本稿の計算で足し合わせたものです(195+14+236+47=492、492÷769=64%)。

素材技術者の読みどころ:「有効利用89%」の大半は燃料です

協会の整理では、「有効利用」には熱回収(サーマルリサイクル)が含まれ、その量は有効利用688万tのうち約492万tです本稿の計算。 物質としてもう一度樹脂になるマテリアルリサイクルは171万t(総排出量の22%)です事実。

さらに、このマテリアルリサイクル171万tには、工場の中で出た未使用の端材・不良品(生産・加工ロス)に由来する30万tが含まれています事実。 使用済みの製品に限ると141万tで、協会の「使用済製品排出量710万t」に対しては約20%です本稿の計算(141÷710=19.9%)。 工場内の端材の再投入と、消費後(ポストコンシューマ)の製品の再生は、材料の履歴がまったく違います。 第9章で見るEUの再生材含有率の規則が「消費後の廃棄物に由来するもの」に限っているのは、この区別のためです(解説)。

輸出されている量が大きい

協会は、国内で再び使われる「再生樹脂投入量」を算出する際の注記で、次のように書いています。 「前年の再生利用量175万tから輸出分122万tおよび廃PETボトルから繊維に再利用された4万tを除いた48万tを当年の量とした」事実。 これは2022年の再生利用量についての記述で、輸出分は175万tの約70%に当たります本稿の計算(122÷175=69.7%)。 日本で「マテリアルリサイクル」と数えられた量の多くは、プラ屑や再生材料として海外で再生されていることになります。 この数字は、2023年版の注記に記された前年の値であり、年によって変わります。

3. 本稿の計算:同じ「リサイクル率」でも定義で数字が変わる

冒頭の数字を並べます。どれも公的機関・業界団体の公表値ですが、分母と分子の置き方が違うため、直接は比べられません。

同じ「リサイクル率」でも、何を数えたかが違う 四つの公表値の分母と分子(出所と年は各枠のとおり。並べ方は本記事による) 日本の廃プラ全体(2023年・PWMI) 22% (有効利用の合計では89%) 分母:廃プラ総排出量 769万t 分子:マテリアルリサイクル 171万t(端材由来を含む) 世界の廃棄物(2019年・OECD) 9% (回収15%のうち残渣40%を除く) 分母:プラスチック廃棄物 353 Mt 分子:回収された後、残渣にならず再生された分 日本のPETボトル(2024年度・推進協議会) 85.1% (海外での再資源化を含む) 分母:指定PETボトル販売量 652,294 t 分子:国内445,416 t+海外109,779 t=555,195 t EUの包装プラスチック(2023年・Eurostat) 23.0〜59.5% (加盟国ごとの範囲) 分母:包装プラスチック廃棄物の発生量(重量) 分子:再生プロセスに投入された量。2030年目標は55% ※ 数値は各機関の公表値[参考資料1・2・5・13]。四つは分母も分子も対象も異なり、優劣や順位を示すものではありません。 ※ OECDの「9%」は、15%×(1−0.40)=9%という関係に当たります(本稿の確認)。
図2 概念図(ベクター作図)。四つの数字はプラスチック循環利用協会[参考資料1]、OECD[参考資料2]、PETボトルリサイクル推進協議会[参考資料5]、Eurostat[参考資料13]の公表値です。並べ方は本記事によるもので、国・対象・年が異なる数字の比較ではありません。
数字出所(年)分母分子注意
22%/89%プラスチック循環利用協会(2023年実績、2024年12月発行)廃プラ総排出量 769万tマテリアル171万t/マテリアル+ケミカル+サーマル 688万t「有効利用」に熱回収を含む。マテリアルには未使用の端材由来30万tを含む
9%OECD Global Plastics Outlook(2019年)世界のプラスチック廃棄物 353 Mt「回収の15%のうち40%が残渣となる」ため、再生は9%世界の合計。国ごとの差が大きい
9%(累積)Geyer ほか(2017年、1950〜2015年の累積)累積の廃棄物 6,300 Mt再生 約600 Mt(9%)。うち複数回再生されたのは10%累積値。焼却12%、埋立・環境中79%
85.1%PETボトルリサイクル推進協議会(2024年度)指定PETボトル販売量 652,294 t国内再資源化445,416 t+海外再資源化109,779 t海外再資源化を含む。歩留まりと再資源化率を掛けて算出
55%(目標)EU包装廃棄物指令(Eurostat解説)包装プラスチック廃棄物の発生量再生プロセスへの投入量(重量)2030年までの最低目標。2023年に達した加盟国はベルギー59.5%とラトビア59.2%のみ

すべて事実(各出所は参考資料1・2・3・5・13)。2030年の目標値は法令上の予定で、未確定/将来の達成目標です。

4. 素材技術者の視点①:分母と分子を読む

素材技術者の読みどころ:数字を見たら、まず5つを確かめる

リサイクル率を使う場面(社内の目標設定、調達、環境主張)では、数字の背後にある次の5点を確かめる必要があります(本記事による整理)。

  • 分母は何か:排出量か、販売量か、回収量か。日本の協会は「廃プラ総排出量」、PETボトル協議会は「販売量」、Eurostatは「包装廃棄物の発生量」です事実
  • 分子をどの時点で数えるか:EU統計は「再生プロセスへの投入量」が原則で、選別工場の出力が損失なく再生に回る場合はそれで代えてよいとされています事実。OECDは、回収したが残渣として捨てられた分(回収分の40%)を除いた値を9%としています事実。
  • 輸出分を含むか:PETボトルの85.1%には海外再資源化109,779 tが入っています。国内の再資源化分だけなら 445,416÷652,294=約68%です本稿の計算。
  • 「再生」が何を指すか:溶かして樹脂に戻す(マテリアル)のか、燃料・化学原料にする(サーマル、ケミカル)のか。日本の89%には両方が入っています
  • 消費後か、工場内か:端材の再投入を数えているか。日本のマテリアルリサイクル171万tのうち30万tは未使用品由来です事実

ここで見えるのは、同じ「リサイクル率」という言葉でも、統計ごとに定義が違うという事実です。 日本の協会は廃棄物の処理区分ごとの量を、PETボトル協議会は販売量に対する再資源化量を、EUは包装廃棄物の発生量に対する再生プロセスへの投入量を、それぞれ数えています。 どれが「正しい」かではなく、自社の問いに合う定義を選び、数字を引用するときは出所・年・分母・分子を併記する必要があります(本記事による解説)。

5. マテリアルリサイクルの工程 ― 選別・粉砕・洗浄・溶融・再ペレット化

工程は大きく五つに分けられます。PETボトルリサイクル推進協議会は用語を次のように説明しています。 フレークは「PETボトルを8mm角(カク)位の小片に粉砕し、よく洗って乾かしたもの」、 ペレットは「フレークを一度溶かして小さな粒状に加工したもの」です事実。

マテリアルリサイクルの工程と品質を左右する点

ImageGenによる説明用の概念画像(実写・実測像ではありません)。正確な数値・名称・構造は元の模式図をご確認ください。

元の模式図(正確な注記・数値)を表示
マテリアルリサイクルの工程と、品質を左右する点(概念図) 上段が工程、下段が品質に効く点。下段の多くは一般的な説明(解説)です ① 回収 分別収集 ベール化 ② 選別 材質・色で 分ける ③ 粉砕 小片(フレーク) にする ④ 洗浄・乾燥 汚れ・ラベル・ 接着剤を落とす ⑤ 溶融・造粒 溶かして ペレットにする 品質に効く点 異物の混入 分別ルールの差 製品の履歴が 不明なこと 品質に効く点 他の樹脂の混入 色の混在 多層・複合材は 分けにくい 品質に効く点 PETボトルは 8mm角位 粒度がそろうと 次工程が安定 品質に効く点 残った汚れや 接着剤は着色・臭気 の原因になる 乾燥不足は劣化の元 品質に効く点 熱・せん断・水分で 分子が傷む ろ過で異物を除く 必要なら添加剤 ※ 「フレーク」「ペレット」の定義は PETボトルリサイクル推進協議会の説明[参考資料8]です。工程の分け方と下段の説明は本記事による整理(解説)です。 ※ 樹脂の種類や用途によって、工程の順序・有無は異なります(例:溶融せず化学処理する方法は別の記事で扱います)。
図3 概念図(ベクター作図)。工程の五分割は本記事の整理です。フレーク・ペレットの定義のみ PETボトルリサイクル推進協議会[参考資料8]によります。実際の設備の構成や順序を示すものではありません。

国際標準化機構(ISO)は、プラスチック廃棄物の回収とリサイクルのための指針として ISO 15270:2008「Plastics — Guidelines for the recovery and recycling of plastics waste」を発行しています。 ISOの案内によると、この規格はプレコンシューマ(工場内)とポストコンシューマ(消費後)の廃棄物の回収選択肢を整理し、 回収の全工程で考慮すべき品質要件と、材料規格・試験規格・製品仕様に盛り込むべき一般的な推奨事項を示すものです事実。 ISOの案内には、同規格が2018年に見直し・確認され、現行であること、およびパート構成の改訂版(ISO/DIS 15270-1〜4、ISO 15270-5:2025)が準備中であることも記されています事実。 規格本文は有料のため、本稿は題名と適用範囲の記載にとどめます。

6. 素材技術者の視点②:なぜ品質は落ち、ばらつくのか

Schyns と Shaver(2021年)のレビューは、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルという 五つの主要な包装用樹脂のマテリアルリサイクルを扱い、「現在の機械的リサイクルは、コスト、機械的性質の劣化、品質の一貫性のなさによって制約されている」とまとめています事実(要旨の趣旨。原文は英語)。 レビューは再加工による劣化の機構と、混合廃棄物でのポリマーブレンド、低品質の再生材の用途も論じています事実。

素材技術者の読みどころ:分子構造から「傷み方」が予想できます(解説)

以下は高分子化学の一般的な説明です(本記事による解説)。個別の数値は材料・グレード・条件で大きく変わるため、数値は載せません。

  • PET・ポリアミドなどの縮合系:主鎖のエステル結合・アミド結合が、高温で水分に触れると加水分解します。溶融時に水分が残ると分子量が下がり、溶融粘度(固有粘度、IVの指標)が落ちます。再生PETでは、溶融後に固相重合などで分子量を回復させる工程が使われることがあります。
  • ポリエチレン・ポリプロピレンなどのポリオレフィン:炭素-炭素の主鎖は加水分解に強い一方、熱・せん断・酸素により主鎖の切断や分岐・架橋が起きます。切れるとMFRが上がり、架橋が進むと流動性が落ちます。どちらが優勢かは樹脂と条件によります。
  • 混ざった樹脂:異なる樹脂の多くは相溶しません。PEとPPのように見た目が似ていても混ざると相分離し、界面が弱点になって衝撃強度が下がりやすくなります。ごく少量の他種樹脂(例:PET中のPVC)は、加工温度で分解して着色や劣化の原因になる、とよく説明されます。
  • 添加剤の蓄積:顔料、難燃剤、可塑剤、フィラーなどは、リサイクルしても消えません。用途の違う廃棄物を混ぜるほど、再生材の組成は設計から遠ざかります。
  • 供給の変動:バージン樹脂は一つの工場で組成が管理されますが、再生材の原料は回収元・季節・地域で組成が変わります。「ばらつき」の本質は、劣化そのものより、この原料の多様性にあります。

分子量分布が広がり、不純物が増え、色が濁る。これらが重なって、再生材の機械特性・外観・加工性のばらつきになります。 バージン樹脂は「規格にあわせて作る」材料ですが、再生材は「得られた材料の規格を見極めて使う」材料になりやすい、という違いがあります(本記事による解説)。

食品接触用途は別の関門

EUでは、食品に接する再生プラスチックについて委員会規則(EU)2022/1616(2022年9月15日付)があります。 この規則は、廃棄物由来のプラスチックを含む食品接触材料の上市、再生技術・プロセス・設備の開発と運用、再生プラスチックの食品接触での使用を定めるものです。 旧規則(EC)No 282/2008は、化学的解重合、端材の利用などの一部の再生技術を対象外としていたため、新規則はこれらも含めて枠組みを作り直した、と前文に記されています事実。 PETボトルの水平リサイクルでは、こうした食品接触の許可が前提になります。

7. クローズドループとカスケード ― バージン樹脂との関係

PETボトルリサイクル推進協議会は、PETボトルのマテリアルリサイクルには「カスケードリサイクル」と「水平(ホリゾンタル)リサイクル」の二つの方法があり、 ボトルtoボトルは「水平リサイクル」だと説明しています事実。 同協議会は、「使用済みPETボトルから再びPETボトルを製造する水平リサイクル」を進め、2030年度までにボトルtoボトル比率50%を目標としています未確定/将来。

クローズドループとカスケードの違い

ImageGenによる説明用の概念画像(実写・実測像ではありません)。正確な数値・名称・構造は元の模式図をご確認ください。

元の模式図(正確な注記・数値)を表示
クローズドループとカスケード(概念図) 同じ用途へ戻るか、用途を落としながら使い継ぐか 水平(クローズドループ) 使用済み ボトル 再生 樹脂 再びボトルとして使う ボトルtoボトル カスケード(段階的に用途を移す) ボトル シート 繊維など 最後は焼却・埋立か、別の再生へ ※ 「水平」「カスケード」の用語はPETボトルリサイクル推進協議会の説明[参考資料7]に拠ります。 ※ 用途を落とす再生を「ダウンサイクル」、元より高い価値にする再生を「アップサイクル」と呼ぶ例がありますが、定義は統一されていません(解説)。
図4 概念図(ベクター作図)。用語は PETボトルリサイクル推進協議会[参考資料7・9]に拠ります。矢印の本数や配置は説明のための模式で、実際の物の流れの量を示すものではありません。

同協議会の「再生PET樹脂の用途」の統計[参考資料6]から、国内の用途別再生フレーク量に占めるボトルtoボトルの比率を計算してみます。

再生PETフレークの国内用途に占める「ボトルtoボトル」の比率(本稿の計算) 各年度のボトルtoボトルの量 ÷ 国内用途別の総計。数値は%13.1201217.5201314.9201416.4201524.0201624.6201726.3201824.3201930.0202033.1202144.6202254.7202357.720240204060年度 ※ 元データは推進協議会の「国内用途別再生フレーク量」(千t)。2012年度以降のボトルtoボトルは食品用PETボトル用途の量。 ※ 比率は本記事が算出した値です。2024年度の57.7%は同表の構成比と一致します。協議会の目標値の分母とは限りません。
図5 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。再生フレーク量(千t)は PETボトルリサイクル推進協議会[参考資料6]の公表値で、比率(%)は本記事がボトルtoボトルの量を総計で割って算出した値です。2012年度以降の「ボトルtoボトル」は食品用PETボトル用途の量を指すと同表に注記されています。2024年度の57.7%は同表の構成比と一致します。協議会の目標値「ボトルtoボトル比率50%」が同じ分母を使っているかは、本稿では確認できていません。
素材技術者の読みどころ:用途が「落ちる」順番には、品質の階段が見えます

用途別の構成比(2024年度)は、ボトルtoボトル57.7%、シート25.5%、繊維7.8%、成形品6.8%です事実。 ボトルは食品に直接触れるため、規制(前章のEU規則2022/1616のような枠組み)と純度・分子量の要求が最も厳しい用途です(解説)。 それでも2012年度に13%程度だった比率が2024年度に57.7%になったのは、選別・洗浄・除染と分子量の回復が量産で成立する水準に達したことを示唆します(本記事による読み取り)。 同時に、協議会の統計は2018年1月からの中国の固形廃棄物輸入禁止により、使用済みPETボトルの輸出が減り国内再資源化が増えたと説明しています事実。 技術だけでなく貿易の変化も、水平リサイクルの比率を押し上げています。

バージン樹脂との関係

OECD(2022年)によると、再生プラスチック(二次プラスチック)の世界の生産量は2000年の680万tから2019年の2,910万tに増えましたが、 プラスチック全体の生産量の6%にとどまり、現在使われるプラスチックの大半はバージン樹脂(原油・ガス由来)です。 OECDは、再生プラスチックが依然としてバージン樹脂の代替品とみなされていると述べ、 再生材含有率の目標設定とリサイクル技術への投資が市場を競争的にする可能性を指摘しています事実。 2,910万tを2019年の世界の生産量4億6,000万tで割ると約6.3%です本稿の計算。

日本の協会の図では、再生樹脂の国内への投入量は48万tと記されています事実。 同じ図の国内樹脂投入量832万tと比べると約5.8%の規模です(48÷832、投入量の範囲は図の定義による)本稿の計算。 再生材がバージン樹脂を置き換える量は、リサイクル「率」の数字よりも小さく、 これが各国で「再生材の使用義務」という需要側の制度が導入される背景にあります(本記事による解説)。

8. PETボトルの実例 ― 分母と分子を実際に計算する

PETボトルは、日本で最も統計が整っているマテリアルリサイクルの例です。推進協議会は算定の詳細を公開しており、 2024年度のリサイクル率は85.1%、分母の指定PETボトル販売量は652千t(652,294 t)、 分子のリサイクル量は国内再資源化量445千t+海外再資源化量110千t=合計555千tです事実。

段階量・率(2024年度)備考
【分母】指定PETボトル販売量652,294 t国内製品648,831 t+輸入製品3,463 t
市町村回収量(分別基準適合物)334,369 t環境省の速報データ
事業系ボトル回収量300,556 t協議会の調査
国内処理の割合市町村回収 95.0%/事業系回収 83.9%残りは海外向け
再資源化率(国内向け回収量に対し)市町村回収 84.7%/事業系回収 69.9%回収したものがすべて再生品になるわけではない
【分子】国内再資源化量445,416 t317,745×84.7%+252,246×69.9%
【分子】海外再資源化量109,779 t輸出フレーク123,035 tなどから、歩留率を用いて算出
リサイクル量/率555,195 t/85.1%555,195÷652,294

すべて事実(PETボトルリサイクル推進協議会 リサイクル率の算出[参考資料5])。端数処理のため、数値が合わない場合があると同ページに注記があります。

本稿の計算:この85.1%から、何が読めるか

本稿の計算公表値だけから次の関係を確かめます。

  • 国内再資源化量だけの割合:445,416÷652,294=約68.3%(海外分を除く)
  • 分子に占める海外分:109,779÷555,195=約19.8%
  • 国内向け回収量の損失:市町村回収(国内向け)では 100−84.7=約15%、事業系回収(国内向け)では 100−69.9=約30%が、再資源化率の定義の外に出る
  • 検算:317,745×0.847+252,246×0.699 ≒ 269,100+176,300 ≒ 445,400。公表の445,416 tとほぼ一致する(率は小数第1位までの丸め)

前提と限界:「再資源化率」は協議会が調査で定めた率であり、その分母・分子の取り方はこのページから全部は読み切れません。 上の損失は選別・洗浄で除かれたキャップ・ラベル・異物・汚れなどを主に反映すると考えられますが、内訳の公表値はこのページにはなく、断定はできません(解説)。

9. 制度:EUのPPWRと日本のプラスチック資源循環促進法

EU:包装・包装廃棄物規則(PPWR)

規則(EU)2025/40(2024年12月19日付、官報掲載2025年1月22日)は、1994年の包装指令を置き換えるもので、 欧州委員会によると2025年2月11日に発効し、2026年8月12日から適用されています事実。 プラスチック包装については、次の二つの柱があります。

PPWR 第7条:プラスチック包装の最低再生材含有率 消費後のプラスチック廃棄物から回収した再生材。製造工場ごとの年間平均で算定 2030年 2040年20%40%60%030%50%接触に敏感なPET包装(使い捨て飲料ボトルを除く)10%25%接触に敏感な非PET包装(使い捨て飲料ボトルを除く)30%65%使い捨てプラスチック飲料ボトル35%65%その他のプラスチック包装※ 2030年は「2030年1月1日、または実施法の施行から3年後のいずれか遅い方」。2040年は2040年1月1日。数値は規則の条文です。 ※ 医薬品包装など一部は適用除外、食品接触包装では健康への脅威となる場合は適用しない旨の規定があります(第7条4項・5項)。
図6 概念図(ベクター作図)。数値は規則(EU)2025/40 第7条第1項・第2項[参考資料10]の最低再生材含有率(消費後のプラスチック廃棄物由来、製造工場ごとの年間平均)です。適用時期は「2030年1月1日、または実施法の施行から3年後のいずれか遅い方」とされており、図の年は目安です。
  • 第7条:最低再生材含有率。「消費後のプラスチック廃棄物から回収された」再生材を、2030年(または実施法の施行から3年後のいずれか遅い方)までに、 接触に敏感なPET包装(使い捨て飲料ボトル以外)30%、PET以外の接触に敏感な包装10%、使い捨て飲料ボトル30%、その他のプラスチック包装35%含める義務です。 2040年にはそれぞれ50%、25%、65%、65%です事実。 なお、この義務は法令上の予定であり、実施法令の整備に依存します未確定/将来。
  • 第6条:リサイクル可能な包装。すべての包装はリサイクル可能でなければならず、 設計がリサイクルに適していること(2030年1月1日、または委任法の施行から24か月後のいずれか遅い方から)と、 回収・選別・「規模でのリサイクル」ができること(2035年1月1日から、規模での要件は実施法の施行から5年後のいずれか遅い方)が条件です。 性能はA・B・Cの等級で表され、2038年1月1日からはA または B 以外の包装は上市できません事実。

再生材の算定方法は、さらに重要です。第7条は、欧州委員会が2026年12月31日までに、 再生材含有率の算定・検証の方法を定める実施法と、 リサイクル技術の持続可能性基準を定める委任法を採択すると定めています。 再生材として数えられるのは、基準を満たす技術で(EU内、または同等の基準の第三国で)再生されたものです事実。 この実施法令・委任法は、本稿の調査時点では確認できていません。ケミカルリサイクルの扱いを左右する論点で、本シリーズ「ケミカルリサイクル」編で改めて触れます。

EU:使い捨てプラスチック指令と食品接触規則

  • 指令(EU)2019/904 第6条5項:PETを主成分とする飲料ボトルに2025年から再生プラスチックを少なくとも25%、2030年から全飲料ボトルに少なくとも30%含める義務です(加盟国ごとの市場平均で算定)事実。
  • 規則(EU)2022/1616:食品に接する再生プラスチックの枠組み(前章)。

日本:プラスチック資源循環促進法

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」は、令和3年(2021年)6月に制定され、令和4年(2022年)4月1日に施行されました事実。 目的は、製品の設計から廃棄物の処理に至る各段階のあらゆる主体で「3R+Renewable」を促進することで、措置は次の五つです。

段階措置(環境省・経産省のパンフレット)主な対象者
設計・製造プラスチック使用製品設計指針(適合した設計の認定制度つき)製造事業者等
販売・提供特定プラスチック使用製品(12品目)の使用の合理化小売・サービス事業者等
排出・回収・リサイクル市区町村による分別収集・再商品化市区町村
排出・回収・リサイクル製造・販売事業者等による自主回収・再資源化製造・販売事業者等
排出・回収・リサイクル排出事業者による排出の抑制・再資源化等排出事業者

すべて事実(環境省・経産省パンフレット[参考資料15]、農林水産省の概要資料[参考資料16])。

日本の制度の特徴は、EUのような再生材含有率の義務が法律の本体にはなく、設計の指針(再生プラスチックの利用も指針の項目の一つ)と、 回収・再資源化の仕組みづくりに重点がある点です(本記事による解説)。数値目標は、2019年の「プラスチック資源循環戦略」に 「2030年までに再生利用を倍増」「2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等により有効利用」などとして示されています未確定/将来(パンフレット掲載の戦略概要)。

10. 素材技術者の視点③:リサイクルのしやすさは設計で決まる

作業台の上に、同じ乳白色の樹脂だけでできた無地の容器、蓋と本体に分解した部品、砕いた一種類のフレークが左から右に並んでいる様子
図7 イメージ図(AI生成)。「単一素材化」「分解しやすい設計」を、同じ素材だけでできた容器、蓋と本体に分けた状態、砕いた一種類のフレークの順に並べた場面です。実在の製品・部品・樹脂の種類を示すものではありません。
素材技術者の読みどころ:選別の段階で決まることを、設計の段階で決める

環境省・経産省の設計指針は、取り組むべき事項として次のように列挙しています事実。 構造:減量化、包装の簡素化、長期使用化・長寿命化、再使用が容易な部品、単一素材化等、分解・分別の容易化、収集・運搬の容易化、破砕・焼却の容易化。 材料:プラスチック以外の素材への代替、再生利用が容易な材料の使用(材料の種類を減らす、「再生利用を阻害する添加剤等の使用を避ける」)、再生プラスチックの利用、バイオプラスチックの利用。 指針は、これらが互いにトレードオフになりうることにも触れ、製品のライフサイクル全体での環境負荷を総合的に評価することを求めています事実。

材料の側から読むと、この指針は前章までの「品質が落ちる理由」の裏返しです(本記事による解説)。

  • 単一素材化:選別で除けない混合を、最初から作らない。相溶しない樹脂の貼り合わせは、機能は出せても再生では弱点になります。
  • 多層フィルム:バリア性を出すために異種樹脂を重ねる設計は、リサイクルでは別の樹脂が混入する形になります。バリア性とのトレードオフです(本シリーズ「バリア性とコーティング」編で扱います)。
  • 添加剤:顔料・難燃剤・可塑剤は、後工程で除けません。「再生を阻害する添加剤を避ける」は、リサイクルの工程で解決できない問題を、配合設計で解くということです。
  • 標識:材質名の表示は、選別を助けます。指針は「使用されている材料の種類の表示を行うこと」を挙げています事実。

PETボトル業界は、この発想を早くから採用しています。推進協議会は「すでに30年以上前より『再生利用が容易な製品の設計』として『指定PETボトルの自主設計ガイドライン』を運用」していると説明しています事実。 材料技術者にとっての示唆は、再生材の品質を上げる最も確実な手が、回収後の技術ではなく、使う前の設計にあることです(本記事による解説)。

11. 課題と、本稿で確認できなかったこと

(1) 定義が揃わず、数字が比べられない

第3章で見たとおり、国・機関・対象によって分母も分子も異なります。PPWRは再生材の算定方法を2026年末までの実施法令に委ねています未確定/将来。

(2) 再生材の品質と需要

再生材は劣化とばらつきが避けられず、バージン樹脂の「代替品」とみなされる傾向がある、とOECDは指摘しています事実。 需要側の制度(再生材含有率の義務)が導入される背景ですが、どこまで品質を確保して義務を満たせるかは、実施段階でないと分かりません。

(3) 本稿で確認できなかったこと

  • 日本の2024年実績版のマテリアルフロー図:本稿が確認できたのは2023年実績(2024年12月発行)の版です。より新しい版が出ている可能性があります。
  • PPWRの実施法令・委任法:2026年12月31日までの採択が予定されていますが、本稿の調査時点(2026年10月)で採択済みかは確認できていません。
  • 再生材の物性の数値:PET、PE、PPなどの再生材の具体的な物性値(引張強さ、固有粘度の低下量など)は、条件の違う公表値を並べると誤解を招くため載せていません。
  • ISO 14021(リサイクル含有率の自己宣言)の内容:ISOの案内で2016年版が撤回され2026年版が発行済みであることは確認しましたが、本文は有料のため内容には立ち入っていません。
  • ライフサイクル全体での環境負荷:リサイクルが環境に良いかどうかの比較は、本シリーズ「マイクロプラスチックとライフサイクルアセスメント」編で扱います。
この記事のまとめ
  • 日本の廃プラ769万tのうち、マテリアルリサイクルは171万t(22%)で、有効利用89%の大半は熱回収です事実。
  • 171万tには未使用の端材由来30万tが含まれ、消費後の製品に限ると約20%です本稿の計算。
  • PETボトルの85.1%は海外再資源化を含み、国内分だけなら約68%です本稿の計算。
  • 品質の低下とばらつきは、分子の傷みと原料の多様性に由来し、設計段階の対策(単一素材化など)が効きます(解説)。
  • EUのPPWRは2026年8月12日から適用され、再生材含有率とリサイクル可能性の等級を定めています。再生材の算定方法は2026年末までの実施法令に委ねられています事実。

12. 用語集

マテリアルリサイクル
使用済み樹脂を溶かすなどして、再び樹脂材料にする方法。日本の統計では「再生利用」とも呼ぶ。
サーマルリサイクル
燃料や発電・熱利用としてエネルギーを回収する処理。日本の統計では「有効利用」に含める。
ケミカルリサイクル
化学反応で原料やモノマーに戻して利用する方法。高炉原料、ガス化、油化などを含む。
有効利用率
リサイクル率に熱回収率を加えたもの(単純焼却と埋立を除く)。PETボトル協議会の定義。
フレーク
PETボトルを8mm角位に粉砕して洗い、乾かした小片。
ペレット
フレークなどを一度溶かして小さな粒状に加工したもの。
水平リサイクル
使用済みPETボトルから再びPETボトルを製造すること(ボトルtoボトル)。
カスケードリサイクル
用途を段階的に移しながら使い継ぐ再生。
ポストコンシューマ
消費者が使用した後に排出された廃棄物。工場内の端材(プレコンシューマ)と区別する。
PPWR
EUの包装・包装廃棄物規則(規則(EU)2025/40)。2026年8月12日から適用。
3R+Renewable
リデュース・リユース・リサイクルに、再生可能資源の活用を加えた日本のプラスチック施策の基本原則。
MFR
メルトフローレート。溶融樹脂の流れやすさを表す指標。分子量の変化の目安になる。

13. 参考資料(一次情報)

  1. プラスチック循環利用協会「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 マテリアルフロー図 2023年」2024年12月発行(PDF) — pwmi.or.jp
  2. OECD「Plastic pollution is growing relentlessly as waste management and recycling fall short, says OECD」2022年2月22日(Global Plastics Outlook 発表資料) — oecd.org
  3. Geyer, Jambeck, Law “Production, use, and fate of all plastics ever made”, Science Advances 3, e1700782 (2017). DOI 10.1126/sciadv.1700782 — pmc.ncbi.nlm.nih.gov
  4. Schyns, Shaver “Mechanical Recycling of Packaging Plastics: A Review”, Macromolecular Rapid Communications 42, 2000415 (2021). DOI 10.1002/marc.202000415 — pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
  5. PETボトルリサイクル推進協議会「リサイクル率の算出(2024年度)」 — petbottle-rec.gr.jp
  6. PETボトルリサイクル推進協議会「再生PET樹脂の用途」 — petbottle-rec.gr.jp
  7. PETボトルリサイクル推進協議会「マテリアルリサイクル」 — petbottle-rec.gr.jp
  8. PETボトルリサイクル推進協議会「再商品化(事業者)」 — petbottle-rec.gr.jp
  9. PETボトルリサイクル推進協議会「基本用語(キーワード)」 — petbottle-rec.gr.jp
  10. 欧州議会・理事会規則(EU)2025/40「包装及び包装廃棄物に関する規則」2024年12月19日(官報 2025年1月22日) — eur-lex.europa.eu
  11. 欧州委員会 環境総局「Packaging waste」 — environment.ec.europa.eu
  12. 欧州議会・理事会指令(EU)2019/904「環境への特定プラスチック製品の影響の削減に関する指令」2019年6月5日 — eur-lex.europa.eu
  13. Eurostat「Packaging waste statistics」(Statistics Explained) — ec.europa.eu/eurostat
  14. 欧州委員会規則(EU)2022/1616「食品と接触することを意図した再生プラスチック材料及び物品に関する規則」2022年9月15日 — eur-lex.europa.eu
  15. 経済産業省・環境省「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律について」(パンフレット、PDF) — plastic-circulation.env.go.jp
  16. 農林水産省「プラスチック資源循環促進法(令和3年法律第60号)の概要」(PDF) — maff.go.jp
  17. ISO ISO 15270:2008 “Plastics — Guidelines for the recovery and recycling of plastics waste” — iso.org

14. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
2023年の廃プラ総排出量769万t、有効利用688万t(89%)、未利用81万t(11%)。マテリアルリサイクル171万t(22%)、ケミカル26万t(3%)、固形燃料・セメント原燃料195万t、ガス化(燃料利用)14万t、発電焼却236万t、熱利用焼却47万t、単純焼却58万t、埋立24万t。マテリアル171万tの内訳が使用済製品141万t(82.5%)と未使用品(生産・加工ロス由来)30万t。使用済製品排出量710万t。再生樹脂投入量48万t、国内樹脂投入量832万t。「再生利用量175万tから輸出分122万tおよび廃PETボトルから繊維に再利用された4万tを除いた48万t」の注記。協会の「サーマル」「ケミカル」の振り分け(ガス化は用途で分ける)。2024年12月発行プラスチック循環利用協会 マテリアルフロー図 2023年[参考資料 1]https://www.pwmi.or.jp/flow_pdf/flow2023.pdf事実
世界のプラスチック廃棄物353 Mt(2019年)、リサイクル9%(回収15%のうち40%が残渣)、焼却19%、埋立50%、管理外22%。再生プラスチックの世界の生産量が2000年の6.8 Mtから2019年の29.1 Mtへ、全生産量の6%。全生産量は4.6億t(2019年)。大半がバージン樹脂であり、再生材は代替品と見なされていること。再生材含有率の目標設定とリサイクル技術への投資が二次市場を競争的にしうること。マイクロプラスチックを5 mm未満の合成ポリマーとしていることOECD プレスリリース(2022年2月22日)[参考資料 2]https://www.oecd.org/en/about/news/press-releases/2022/02/plastic-pollution-is-growing-relentlessly-as-waste-management-and-recycling-fall-short.html事実
1950〜2015年に発生した累積6,300 Mtのプラスチック廃棄物のうち、約9%がリサイクル、12%が焼却、79%が埋立または環境中。リサイクルされた約600 Mtのうち、複数回リサイクルされたのは10%。「Before 1980, plastic recycling and incineration were negligible」の趣旨Geyer ほか(2017年)[参考資料 3]https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5517107/事実
PET、PE、PP、PS、PVCのマテリアルリサイクルを扱い、現行のプロセスがコスト、機械的性質の劣化、品質の不均一さに制約されること。再加工による劣化機構、混合廃棄物でのポリマーブレンド、低品質リサイクル材の用途を論じていることSchyns, Shaver(2021年)要旨[参考資料 4]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33000883/事実
2024年度のPETボトルリサイクル率85.1%。分母652,294 t(国内製品648,831 t+輸入製品3,463 t)。分子555,195 t(国内445,416 t+海外109,779 t)。市町村回収334,369 t、事業系回収300,556 t、国内処理の割合95.0%・83.9%、再資源化率84.7%・69.9%、国内向け回収量317,745 t・252,246 t、輸出フレーク123,035 t。2018年1月からの中国の固形廃棄物輸入禁止による輸出減と国内再資源化の増加という説明PETボトルリサイクル推進協議会 リサイクル率の算出[参考資料 5]https://www.petbottle-rec.gr.jp/data/calculate.html事実
国内用途別再生フレーク量(千t)の2012〜2024年度の推移:総計206.2〜426.2、ボトルtoボトル27.1〜246.0。2024年度の構成比(ボトルtoボトル57.7%、シート25.5%、繊維7.8%、成形品6.8%、包装フィルム・ラベル1.0%)。2012年度以降の「ボトルtoボトル」が食品用PETボトル用途の量であるという注記PETボトルリサイクル推進協議会 再生PET樹脂の用途[参考資料 6]https://www.petbottle-rec.gr.jp/data/use.html事実
PETボトルのマテリアルリサイクルに「カスケードリサイクル」と「水平(ホリゾンタル)リサイクル」の2つがあり、ボトルtoボトルは水平リサイクルであることPETボトルリサイクル推進協議会 マテリアルリサイクル[参考資料 7]https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/material.html事実
フレークは「PETボトルを8mm角位の小片に粉砕し、よく洗って乾かしたもの」、ペレットは「フレークを一度溶かして小さな粒状に加工したもの」PETボトルリサイクル推進協議会 再商品化(事業者)[参考資料 8]https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/recycling.html事実
水平リサイクルの定義(使用済みPETボトルから再びPETボトルを製造)。2030年度までにボトルtoボトル比率50%を目標とすること。有効利用率の定義(リサイクル率に熱回収率を加えたもの)。「30年以上前より」自主設計ガイドラインを運用していることPETボトルリサイクル推進協議会 基本用語[参考資料 9]https://www.petbottle-rec.gr.jp/basic/keyword.html事実
PPWRの正式名称・日付(2024年12月19日付、官報2025年1月22日)。第6条(すべての包装はリサイクル可能。設計は2030年1月1日または委任法の施行から24か月後のいずれか遅い方、回収・選別・規模でのリサイクルは2035年1月1日または実施法の施行から5年後のいずれか遅い方、A・B・C等級、2038年からはAまたBのみ)。第7条(再生材含有率30%・10%・30%・35%、2040年50%・25%・65%・65%、消費後のプラスチック廃棄物由来、製造工場ごとの年間平均、2026年12月31日までに算定・検証の実施法とリサイクル技術の持続可能性基準の委任法)。適用日2026年8月12日規則(EU)2025/40[参考資料 10]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2025/40/oj/eng事実
PPWRが2025年2月11日に発効し、2026年8月12日から適用されること。1994年の包装指令の置き換え。2030年までに全包装を経済的に成り立つ形でリサイクル可能にすること欧州委員会 環境総局[参考資料 11]https://environment.ec.europa.eu/topics/waste-and-recycling/packaging-waste_en事実
使い捨てプラスチック指令の第6条5項(PET飲料ボトルに2025年から25%、全飲料ボトルに2030年から30%の再生プラスチック、加盟国の市場平均)指令(EU)2019/904[参考資料 12]https://eur-lex.europa.eu/eli/dir/2019/904/oj/eng事実
EUの包装廃棄物の目標(2030年までにプラスチックは重量で55%)。2023年のEU包装廃棄物7,970万t、うちプラスチック1,580万t(19.8%)。2023年にプラスチック包装の目標に達した国はベルギー(59.5%)とラトビア(59.2%)のみ、最低はハンガリー23.0%。リサイクルされた包装廃棄物の重量を「再生・回収プロセスへの投入量」とし、選別工場の出力が大きな損失なく再生に回る場合はそれで代えてよいとする規定Eurostat Packaging waste statistics[参考資料 13]https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Packaging_waste_statistics事実
委員会規則(EU)2022/1616が、廃棄物由来のプラスチックを含む食品接触材料の上市、再生技術・プロセス・設備の開発と運用、再生プラスチックの食品接触での使用を定めること。旧規則(EC)No 282/2008が化学的解重合や端材の利用などを対象外としていたこと。2022年9月15日付規則(EU)2022/1616[参考資料 14]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2022/1616/oj/eng事実
プラスチック資源循環促進法の趣旨(3R+Renewable)、令和3年6月の制定、措置の構成(設計指針、特定プラスチック使用製品12品目、市区町村の分別収集・再商品化、自主回収・再資源化、排出事業者)。設計指針の項目(単一素材化、分解・分別の容易化、再生利用を阻害する添加剤を避ける、材質表示、再生プラスチック・バイオプラスチックの利用、トレードオフへの言及)。プラスチック資源循環戦略のマイルストーン(2030年までに再生利用を倍増、2035年までに使用済プラスチックを100%有効利用)経済産業省・環境省 パンフレット[参考資料 15]https://plastic-circulation.env.go.jp/wp-content/themes/plastic/assets/pdf/pamphlet.pdf事実
同法が令和4年4月1日に施行されたこと、令和3年法律第60号であること農林水産省 概要資料[参考資料 16]https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/youki/plastic/gaiyou.pdf事実
ISO 15270:2008の題名、プレコンシューマ・ポストコンシューマの回収選択肢と品質要件を扱う適用範囲、2018年に確認され現行であること、改訂版が準備中であることISO 15270:2008 の案内ページ[参考資料 17]https://www.iso.org/standard/45089.html事実
PPWRの再生材含有率の義務と、リサイクル技術の持続可能性基準・算定方法を定める実施法令・委任法(2026年12月31日までの採択予定)。PETボトル協議会のボトルtoボトル比率50%目標。プラスチック資源循環戦略のマイルストーン(2030年・2035年)法令上の予定、または団体・政府の目標であり、実績ではない[参考資料 10]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2025/40/oj/eng未確定/将来
サーマルリサイクル492万t・64%(195+14+236+47、÷769)。使用済製品由来141÷710=19.9%。輸出分122÷175=69.7%。48÷832=5.8%。国内再資源化445,416÷652,294=68.3%。海外分109,779÷555,195=19.8%。再資源化率84.7%・69.9%の裏から約15%・約30%。検算 317,745×0.847+252,246×0.699 ≒ 445,400。ボトルtoボトル比率(各年度のボトルtoボトルを総計で割った値)。OECD 15%×(1−0.40)=9%。29.1÷460=約6.3%本稿の計算。いずれも公表値を前提に、四捨五入前後の誤差を含めて算出した。分母・分子の定義は各機関のものをそのまま用いている本稿の計算
PET・ポリアミドの加水分解、ポリオレフィンの主鎖切断と架橋、樹脂の非相溶、添加剤の蓄積、原料の多様性に関する説明。固相重合など分子量回復の工程。工程の五分割と各段階で品質に効く点高分子化学と工程に関する一般的な説明。個別の数値や条件は材料・グレードで変わるため、数値は示していない解説
「ダウンサイクル」「アップサイクル」の用語の使い方に統一された定義がないこと。国内の「再生利用」の大半が燃料利用であるという読み取り。EUの定義と日本の定義の違いから分母・分子を併記すべきという提案。設計での対応の読み取り(単一素材化・多層フィルム・添加剤・標識)。水平リサイクルが伸びた理由についての読み取り公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関が表明した見解ではない解説
日本の2024年実績版マテリアルフロー図、PPWRの実施法令・委任法の採択状況、再生材の物性の数値、ISO 14021の本文の内容、リサイクルのライフサイクル全体での環境負荷本稿の調査範囲では公開された一次情報で確認できなかった、または有料・範囲外のため記載していない解説
図1・図2・図3・図4・図5・図6が実際の統計の原図・設備図・観察像ではなく説明のための作図であること。ヒーロー画像と図7がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月2日/出典は一次情報(業界団体・公的機関の統計と公表資料、EUの法令、日本の省庁資料、査読論文、規格団体の案内ページ)に限定しています。調査会社の市場推計は使っていません。 高分子化学や工程に関する一般的な説明は「解説」として、出典付きの事実と区別しています。 日本の2024年実績版の統計、PPWRの実施法令の採択状況、再生材の物性の具体的な数値、ISO 14021の内容については、確認できなかったため記載していません。 図1・図5は公表値に基づく作図、図2・図3・図4・図6はベクター作図、ヒーロー画像と図7はAI生成イメージであり、いずれも実際の設備・製品・顕微鏡像を示すものではありません。