主要成果
EUにおける化学物質規制の強化を受け、Delo Industrial Adhesives、Dymax、Hoenleといった主要な接着剤メーカーが、有害物質であるTPO(トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)やIBOA(イソボルニルアクリレート)を含まない新しいUV硬化型接着剤を市場に投入しました。これらの製品は、特に医療機器組立や構造接着といった高感度なアプリケーションにおいて、安全性と性能を両立させる画期的なソリューションを提供します。また、Wevo-Chemie GmbHは、EVバッテリーの熱暴走対策としてガス・煙の放出を防ぐシリコーンシーラントも発表し、接着・封止材業界全体で環境配慮と高機能化が加速しています。
技術詳細
- Delo Industrial Adhesives: 構造接着用途向けに「Photobond MG4202」を含む5種類の新しいUV硬化型接着剤を発表。これらの製品は、IBOAやTPOを含まない配合でありながら、高い接着強度と耐久性を維持します。特に、自動車部品や電子機器の組み立てにおいて、環境規制を遵守しながら高性能な接合を実現します。
- Dymax: 医療機器組立用の低粘度ハイブリッド光硬化型接着剤「HLC-M-1004」を強調。この接着剤は、光が届かない影の部分でも硬化する能力を持ち、ISO 10993生体適合性基準を満たしています。カテーテルなどの複雑な医療機器の製造において、設計の自由度と生産効率を向上させます。
- Hoenle: 医療機器組立向けにREACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)規制に準拠し、CMR(発がん性・変異原性・生殖毒性)物質フリーのUV硬化型接着剤を開発。これにより、医療従事者と患者の安全性が確保されるとともに、よりクリーンな製造環境が実現されます。
- Wevo-Chemie GmbH: 電気自動車(EV)バッテリーハウジング向けのシリコーンシーラント「Wevosil 23130」を開発。このシーラントは、バッテリーの熱暴走時に発生するガスや煙の放出を効果的に抑制し、乗員の安全性を高めます。優れた耐熱性とシーリング性能により、EVバッテリーシステムの信頼性向上に貢献します。
背景・業界文脈
EUでは、化学物質の安全性に関する規制が年々厳しくなっており、特にTPOやIBOAのような特定の化学物質の使用には制限が設けられています。これは、作業員の健康保護や環境負荷低減を目的としたものです。これらの規制強化は、接着剤メーカーにとって、代替材料の開発や既存製品の再設計を促す大きな圧力となっています。同時に、医療機器、電気自動車、高性能電子機器といった産業分野では、小型化、高機能化、高信頼性への要求が強まっており、接着・封止材にはこれらを両立する革新的なソリューションが求められています。各社の新製品は、これらの市場のニーズと規制の動向に的確に応えるものです。
今後の展望
TPO・IBOAフリーのUV硬化型接着剤の普及は、接着剤市場全体の持続可能性を高める上で重要な一歩となります。これらの製品は、医療機器メーカーがより安全で革新的な製品を開発するための新たな道を開き、同時に製造現場でのリスクを低減します。EVバッテリー向けの高性能シーラントの登場は、電気自動車の安全性と普及を加速させる上で不可欠な要素です。今後、接着・封止材業界では、環境規制への対応と機能性向上を両立する「グリーンケミストリー」の原則に基づいた材料開発がさらに活発化し、新たな市場機会を創出していくことが予想されます。
元記事: https://www.assemblymag.com/articles/100146-new-uv-cure-adhesives-do-not-contain-tpo
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