ビヨンディス、AACR年次総会2026で新規ADC技術プラットフォームのデータを発表

概要
オランダのビヨンディス社は、米国がん学会(AACR)2026年次総会で、新規抗体薬物複合体(ADC)技術プラットフォームに関するデータを発表した。同社は、既存ADCのペイロードに対する耐性増大に対処するため、独自の作用機序を持つ抗葉酸ADCプラットフォームと、免疫刺激性リン酸塩ADCを発表。抗葉酸ADCはナノモル以下の高活性、強力なDHFR阻害、広範なin vitro細胞毒性を示し、非小細胞肺がん等のPDXモデルで高い腫瘍退縮効果と安全性を示した。リン酸塩ADCはVγ9Vδ2 T細胞の活性化を介して腫瘍細胞を特異的に殺傷する。
詳細

背景

抗体薬物複合体(ADC)は、癌治療における精密医療の代表的なアプローチとして、近年目覚ましい進歩を遂げています。抗体の特異性により癌細胞に選択的に薬剤を送達し、細胞傷害性薬物の全身曝露と副作用を軽減します。しかし、既存のADCペイロード(薬剤部分)に対する癌細胞の耐性獲得は、新たな課題として浮上しており、より革新的なADC技術プラットフォームの開発が求められていました。

主要内容

オランダを拠点とするバイオ医薬品企業であるビヨンディス(Byondis B.V.)は、米国がん学会(AACR)2026年次総会において、その最先端の新規ADC技術プラットフォームに関する詳細なデータを発表しました。同社は、既存のADCペイロードに対する耐性メカニズムを克服するために、二つの革新的なプラットフォームに焦点を当てています。

  1. 新規抗葉酸ADCプラットフォーム:
    • 独自の作用機序: このADCプラットフォームは、これまで広く用いられてきたADCペイロードとは異なる、独自の作用機序を持つように設計されています。これにより、既存薬への耐性を持つ癌に対しても効果を発揮する可能性を秘めています。
    • 高い活性と特異性: 最適化されたペイロードは、ナノモルからサブナノモル範囲で極めて高い活性を示し、強力なジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)阻害作用を持ちます。さらに、多様な細胞株において広範なin vitro細胞毒性が確認されています。
    • 前臨床試験での優れた効果と安全性: 主要な抗葉酸ADCは、非小細胞肺がん(NSCLC)および頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の患者由来異種移植(PDX)モデルにおいて、有効用量で有意な腫瘍退縮を達成しつつ、顕著な毒性を示さないことが実証されました。
  2. 免疫刺激性リン酸塩ADC(Phosphonate ADCs):
    • 新たな免疫活性化メカニズム: この革新的なクラスのADCは、Vγ9Vδ2 T細胞の「インサイドアウト活性化」を誘導します。Vγ9Vδ2 T細胞は、特定のストレスシグナルやリン酸化合物を認識して活性化される非従来型T細胞であり、癌細胞を特異的に殺傷する能力を持っています。
    • 標的特異的殺傷: リン酸塩ADCは、癌細胞に薬剤を送達するだけでなく、これらのT細胞を活性化することで、癌細胞に対する免疫応答を増強し、二重のメカニズムで抗腫瘍効果を発揮することを目指しています。

影響と展望

ビヨンディス社の発表は、ADC技術のさらなる進化と多様化を明確に示しています。特に、既存の耐性メカニズムを克服する新しいペイロードや、免疫応答を誘導する複合的な作用機序を持つADCの開発は、癌治療の有効性を高める上で非常に重要です。これらの革新的なプラットフォームが臨床開発に進めば、これまで治療困難であった癌種や、既存治療に抵抗性を示す患者に対して、新たな治療選択肢を提供できる可能性を秘めています。ADC技術の継続的な進歩は、個別化医療の実現を加速し、癌患者の予後と生活の質を大幅に改善する上で、極めて重要な役割を果たすことが期待されます。ビヨンディスは、この分野のフロントランナーとして、今後の動向が注目される企業です。

元記事: https://www.businesswire.com/news/home/20260417460722/ja

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