主要成果
次世代AIチップのパッケージングにおいて、ガラス基板が重要なブレークスルー技術として浮上しており、Intel、TSMC、Samsung Electro-Mechanicsといった業界の主要企業がその開発を加速させています。ガラス基板は、従来の有機基板と比較して、より大きなパッケージサイズ、微細な相互接続、そして高い接続密度をサポートできる可能性を秘めています。特に、その熱膨張係数がシリコンに近いため、大規模なチップレット統合における寸法安定性が高く評価されており、AIやHPC(高性能コンピューティング)向けチップの性能向上とコスト削減に貢献すると期待されています。
技術・臨床詳細
ガラス基板の最大の利点は、その優れた機械的強度と熱的安定性、そして低誘電損失特性にあります。これにより、より微細な線幅/線間隔(L/S)の配線や、高密度なスルーガラスビア(TGV)の形成が可能になります。TGVは、ガラス基板を貫通する微細な電気的接続であり、これを通じてチップレット間やHBM(高帯域幅メモリ)との間で高速かつ低遅延のデータ伝送が実現されます。
Intelは2023年9月に有機チップパッケージングの代替となるガラスコア基板を発表し、現在最終的な認定段階にあります。SKCの子会社であるAbsolicsは、ジョージア州の工場で生産されたガラス基板のパッケージレベル信頼性評価を台湾で実施しており、年内には結果が出るとのことです。また、Samsung Electro-MechanicsとLG Innotekもガラス基板プログラムを進め、Dai Nippon Printingは2028年の本格量産を目指しています。製造における課題の一つは、何百万ものTGVを信頼性高くコーティングすることですが、TRUMPFは高出力インパルスマグネトロンスパッタリング(HiPIMS)アプローチを導入し、深く狭い穴の内側により均一な導電性コーティングを形成することで、このボトルネックを解消しようとしています。
背景・業界文脈
AIチップの爆発的な需要は、従来のパッケージング技術の限界を押し広げています。TSMCのCoWoS容量の逼迫やHBMの供給不足は、代替となる先進的なパッケージング材料の必要性を浮き彫りにしました。ガラス基板は、この課題を解決するための有力な候補として、業界内で急速に注目を集めています。特に、チップレットアーキテクチャや異種統合が進む中で、異なる材料間の熱膨張係数のミスマッチは、パッケージの信頼性と歩留まりに深刻な影響を与えます。ガラス基板のシリコンに近い熱膨張係数は、この問題を緩和し、より大型で高性能なAIチップの実現を可能にします。各国のCHIPS法などの政策も、先端パッケージング技術の開発と国内製造能力強化を支援しており、ガラス基板開発への投資を加速させています。
今後の展望
ガラス基板は、2028年以降の本格的な商用化に向けて、その技術的優位性を確立しつつあります。特に、Absolicsのような企業が信頼性評価を完了すれば、Intelをはじめとする大手チップメーカーによる採用が加速する可能性があります。TRUMPFのHiPIMS技術のような製造プロセスの革新は、ガラス基板の量産における主要なボトルネックを解消し、コスト効率を高める上で不可欠です。ガラス基板の普及は、AIチップの性能をさらに向上させ、データセンターからエッジAIデバイスに至るまで、幅広いアプリケーションにおける新たなブレークスルーを可能にするでしょう。これにより、半導体業界は次なる成長フェーズへと移行すると期待されます。
元記事: https://www.nepconasia.com/en-gb/media/press-release/2026/9/1.html
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます

コメント