Fate Therapeutics、iPSC由来デュアルCAR T細胞候補「FT839」のFDA IND承認取得、自己免疫・血液悪性腫瘍を対象に2026年後半にPhase 1/2a試験開始へ

GlobeNewswire アメリカ
概要
Fate Therapeuticsは、iPSC由来デュアルCAR T細胞製品候補「FT839」に対するFDAのIND(治験薬)承認を取得したと発表した。FT839はCD19とCD38を同時に標的とするよう設計されており、これにより多岐にわたる自己免疫疾患および血液悪性腫瘍の包括的な治療を目指す。この承認を受け、Phase 1/2バスケット臨床試験が2026年後半に開始される予定である。デュアルCAR T細胞技術は、単一標的療法に比べて治療効果の向上と再発リスクの低減が期待され、新たな治療パラダイムを確立する可能性を秘めている。
詳細

主要成果

Fate Therapeuticsは、2026年7月9日、iPSC由来デュアルCAR T細胞製品候補「FT839」に対する米国食品医薬品局(FDA)のIND(治験薬)申請が承認されたことを発表しました。この承認により、FT839は自己免疫疾患および血液悪性腫瘍を対象としたPhase 1/2バスケット臨床試験を2026年後半に開始することが可能となります。

技術・臨床詳細

FT839は、Fate Therapeutics独自の誘導多能性幹細胞(iPSC)プラットフォームから製造された画期的な治療薬候補です。この細胞療法は、CD19とCD38という二つの異なる細胞表面抗原を同時に標的とする「デュアルCAR」設計を採用しています。CD19はB細胞悪性腫瘍や一部の自己免疫疾患で広く発現しており、CD38は多発性骨髄腫などの形質細胞性悪性腫瘍や特定の自己免疫疾患でターゲットとされています。デュアルターゲティング戦略は、抗原逃避メカニズムによる治療抵抗性を克服し、より広範で持続的な治療効果を狙うものです。Phase 1/2バスケット試験では、複数の疾患コホートでFT839の安全性、忍容性、および予備的有効性を評価します。

背景・業界文脈

CAR T細胞療法は、血液がんにおいて劇的な成功を収めてきましたが、固形腫瘍や自己免疫疾患への適用拡大、および抗原逃避による再発といった課題に直面しています。オフザシェルフ型(同種異系)iPSC由来CAR T細胞は、個別の患者ごとに細胞を製造する手間や時間を省き、治療コストを削減する可能性を秘めています。また、FT839のようなデュアルCAR設計は、単一抗原療法が直面する限界を乗り越え、より強固な治療応答を引き出すことを目指しています。この進展は、細胞治療技術の革新が新たな疾患領域へ拡大し、治療の有効性とアクセス性を同時に高めるための重要な一歩となります。

今後の展望

FT839のIND承認は、Fate TherapeuticsのiPSC由来細胞治療パイプラインにおける重要なマイルストーンです。2026年後半に予定されている臨床試験の開始は、自己免疫疾患と血液悪性腫瘍の両方に対する治療の可能性を大きく広げることになります。デュアルCAR戦略が臨床で成功すれば、これらの疾患における治療の標準を変革し、患者に持続的な奏功をもたらす新たな治療法を提供するでしょう。今後のデータ発表が期待されます。

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