ABL BioのEGFR/MUC1二重標的二重特異性ADC「ABL209」が米国第1相試験を進行中、World ADC Koreaで前臨床データを発表

Seoul Economic Daily 韓国
概要
ABL Bioは、米国で第1相臨床試験中の二重特異性ADC候補薬「ABL209(NEOK002)」を「第5回World ADC South Korea 2026」で発表しました。ABL209は、EGFRとMUC1の両方を標的とし、トポイソメラーゼI阻害剤をペイロードとして搭載しており、従来のモノクローナルADCの限界を克服し、健常細胞への毒性を低減しつつ、不均一な腫瘍に対する抗がん効果を最大化することを目指しています。発表では、前臨床段階での強力な抗腫瘍活性と良好な毒性プロファイルが示され、次世代ADC開発における大きな可能性を示唆しています。
詳細

主要成果

ABL Bioは、米国で第1相臨床試験を進めている二重特異性抗体薬物複合体(ADC)候補薬「ABL209(NEOK002)」に関する前臨床データを、「第5回World ADC South Korea 2026」で発表しました。この発表は、不均一ながんに対する治療指数を向上させ、次世代ADCとして確立するための重要な一歩となります。

技術・臨床詳細

ABL209は、癌細胞に多く発現するEGFR(上皮成長因子受容体)とMUC1(ムチン1)の二つの標的を同時に認識する二重特異性抗体を基盤としています。ペイロードには強力な抗がん作用を持つトポイソメラーゼI阻害剤を採用し、プロテアーゼ切断可能なリンカーを介して抗体に結合させています。この二重標的戦略は、腫瘍細胞への結合特異性を高めることで、健常細胞への毒性を低減しつつ、抗がん効果を最大化することを目指しています。前臨床データでは、ABL209がデュアルポジティブ細胞に対してサブナノモラーレベルの細胞毒性を示し、さらに抗原陰性細胞に対しても強力な傍観者効果(bystander killing)を発揮することが確認されました。これにより、腫瘍内の抗原発現の不均一性を克服し、より広範な患者群への適用可能性が期待されます。現在、ABL Bioの子会社であるNeok Bioを通じて米国で第1相臨床試験が進行中であり、安全性、忍容性、薬物動態、そして予備的な抗腫瘍活性が評価されています。

背景・業界文脈

抗体薬物複合体(ADC)は、特定の抗原を発現する腫瘍細胞に薬剤を特異的に送達することで、高い有効性と低い全身毒性を両立させる治療モダリティとして注目されています。しかし、従来のモノクローナルADCは、腫瘍内の抗原発現の不均一性により、一部の細胞にしか薬剤が届かないという限界がありました。ABL209のような二重特異性ADCは、この課題を克服するために開発された次世代ADCであり、複数の抗原を同時に標的とすることで、治療効果の向上と耐性獲得の抑制を目指します。本製品の開発は、特に固形がん、中でも乳がんなどの不均一性が顕著な腫瘍において、新たな治療選択肢を提供する可能性を秘めています。

今後の展望

ABL209の第1相臨床試験の進展は、今後の二重特異性ADCの開発ロードマップにとって重要な意味を持ちます。特に、米国での臨床試験は、より厳格な規制環境下での安全性と有効性の評価機会を提供します。ABL Bioは、この前臨床データを基盤として、ABL209のさらなる臨床開発を加速させ、最終的には多様な固形がん患者に対する革新的な治療薬として市場に投入することを目指しています。この技術が成功すれば、既存のADC治療に抵抗性を示す患者や、より攻撃的な腫瘍を持つ患者に対する新たな希望となるでしょう。

元記事: https://en.sedaily.com/finance/2026/06/08/abl-bio-to-showcase-bispecific-adc-at-world-adc-korea

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