Samsung Electro-MechanicsとLG Innotek、AI基板容量を増強:上半期稼働率90%に迫る

TrendForce 台湾
概要
AIデータセンターの台頭により、GPUとHBMを統合する先端基板の需要が逼迫し、価格が大幅に上昇しています。Samsung Electro-Mechanicsのパッケージングソリューション部門は、2026年上半期の売上高が前年比41%増、営業利益が237%増を記録しました。LG Innotekもベトナムの半導体基板工場を拡張しており、IbidenとUnimicronもABF基板への投資を強化するなど、主要メーカーがAI向け先端基板の増産に注力し、稼働率は上半期に90%に迫る勢いです。
詳細

主要成果

AIデータセンターの急速な普及に伴い、GPUとHBM(高帯域幅メモリ)を統合する先端基板の需要が極めて逼迫しており、その結果として価格が大幅に上昇しています。この市場の急成長を背景に、Samsung Electro-Mechanics(SEM)のパッケージングソリューション部門は、2026年上半期に売上高で前年比41%増、営業利益で237%増という驚異的な成長を達成しました。LG Innotekもベトナムの半導体基板工場を拡張し、Ibiden(イビデン)とUnimicron(ユニマイクロン)もABF基板への投資を強化するなど、主要メーカーがAI向け先端基板の増産に注力しており、上半期の稼働率は90%に迫る勢いです。

技術・臨床詳細

AIチップ向けの先端基板は、従来の基板と比較して、より大きな面積、高い積層数、そして微細な配線パターンが要求されます。特にABF(Ajinomoto Build-up Film)基板は、高性能AIプロセッサとHBM間の高密度相互接続を可能にする重要な材料です。AIチップが従来のチップの2.6倍から3倍の基板面積と、12層から18層以上の積層数を必要とすることから、製造の難易度が大幅に上昇し、高歩留まりを維持することが課題となっています。

SEMは、システムLSIパッケージング技術とFC-BGA(Flip-Chip Ball Grid Array)基板の分野で強力な競争力を持っており、AI、サーバー、自動車向けの高付加価値製品に注力しています。同社の顕著な業績は、この戦略の成功を反映しています。LG Innotekのベトナム工場拡張は、COF(Chip-on-Film)やFC-CSP(Flip-Chip Chip Scale Package)といった先端パッケージング基板の生産能力を高め、多様なAIデバイスの需要に応えるものです。また、台湾のUnimicronやNan Ya PCB、日本のIbidenといった主要ABF基板メーカーも、AI需要に対応するため、設備投資を加速し、生産能力の増強を図っています。

背景・業界文脈

AIチップの性能向上には、プロセッサとメモリ間のデータ伝送帯域幅の拡大が不可欠であり、これが先端パッケージング技術と高機能基板への需要を劇的に押し上げています。TSMCのCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)のような先端パッケージング技術は供給が逼迫しており、結果としてGPU、HBM、そしてそれらを接続するABF基板がAIサプライチェーン全体のボトルネックとなっています。このような状況は、半導体メーカー各社が自社のパッケージング能力を強化し、サプライチェーンの多様化を図るインセンティブとなっています。米国のCHIPS法や欧州のEuropean Chips Actなど、各国政府も半導体サプライチェーンの国内レジリエンス強化を政策的に支援しており、先端パッケージングと基板への投資を後押ししています。

今後の展望

AIチップの需要は今後も高まる一方であり、先端基板の供給不足はしばらく続く見込みです。主要メーカーによる設備投資と生産能力増強は継続されますが、高度な技術と長い認定プロセスが必要なため、需給バランスの改善には時間を要するでしょう。特に、T-Glassのような主要な上流材料が中小の日本企業に大きく依存している現状は、サプライチェーン全体のリスク要因となっています。Samsung Electro-MechanicsやLG Innotekなどの取り組みは、AI時代の半導体市場における競争力を維持・強化するために不可欠であり、技術革新と効率的な生産体制の構築が引き続き焦点となります。ガラス基板などの新技術の導入も、長期的な供給安定化と性能向上の鍵を握るでしょう。

元記事: https://www.trendforce.com/news/2026/08/27/news-samsung-electro-mechanics-lg-innotek-ramp-up-ai-substrate-capacity-as-1h-utilization-reportedly-nears-90/

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