主要成果
欧州委員会は、欧州チップス法(EU Chips Act)の下で資金提供される初の主要プロジェクトを発表し、ドイツの半導体大手Infineon、オランダの半導体製造装置大手ASMLの子会社、およびフランスの材料メーカーSoitecに対し、合計2億1000万ユーロ(約350億円)の助成金を割り当てました。この資金は、次世代3D ICヘテロジニアス統合および先端パッケージング技術の開発に重点的に投資されます。
技術・臨床詳細
- 資金の使途: 助成金は、高効率かつ高性能な3D ICアーキテクチャを実現するための研究開発に充当されます。これには、異なる機能を持つ複数のチップ(例: プロセッサ、メモリ、センサー)を単一のパッケージ内に垂直または水平に統合する技術が含まれます。
- ヘテロジニアス統合: この技術は、異なる製造プロセスで生産されたチップレットを組み合わせることで、システムの性能を向上させ、消費電力を削減し、製造コストを最適化することを目指します。特に、GaNチップレットとSiチップレットのファンアウトウェーハレベルパッケージング(FOWLP)技術を用いたヘテロ統合や、電解インジウムバンプによる信頼性の高い相互接続技術の開発が進められています。
- アクセス要件: このプロジェクトを通じて開発される技術は、EU域内の認定されたサプライヤーが利用できるようになることが条件とされています。これは、欧州の半導体サプライチェーン全体の競争力向上と、技術的な自律性確保を目指すEUの広範な戦略の一環です。
背景・業界文脈
欧州チップス法は、世界の半導体サプライチェーンにおける欧州の地位を強化し、地政学的リスクから保護することを目的として、2030年までに官民合わせて430億ユーロを投資する大規模なイニシアチブです。AIやHPC(高性能コンピューティング)の需要増大に伴い、先端パッケージングはトランジスタのスケーリング限界が近づく中で、システム性能を向上させる主要な手段となっています。今回の資金提供は、特にこの分野における欧州の技術的基盤を強化し、イノベーションを促進する上で重要なステップとなります。
今後の展望
この大規模な資金投入は、欧州における半導体エコシステム、特にICパッケージング材料および先端基板サプライヤーにとって新たなビジネス機会を創出するでしょう。Infineon、ASML子会社、Soitecといった主要企業が主導するこのプロジェクトは、欧州が世界的な半導体競争において重要なプレイヤーとしての存在感を高めるための礎となります。開発される技術は、データセンター、自動車、産業用IoTなど、幅広い分野での次世代電子機器の実現に貢献し、欧州経済全体のデジタル化を加速させることが期待されます。
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