東京大学、独立作製セル結合でオールペロブスカイト2接合太陽電池の変換効率30.2%を達成

概要
東京大学の研究チームが、オールペロブスカイト2接合太陽電池において30.2%という高い光電変換効率を達成しました。この成果は、製造プロセスが比較的容易な順構造と逆構造の単一セルをそれぞれ独立して作製し、その後に結合するという新しい製造アプローチによるものです。従来の一括成膜方式が抱えていた大面積化や歩留まりの課題を解決し、高効率化と工業化の両立に貢献します。軽量で柔軟な高効率太陽電池の実現に道を拓く技術として注目されています。
詳細

研究背景と従来の課題

次世代太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池の中でも、特に複数の吸収層を積層するタンデム構造は、理論限界効率が高く、高い変換効率を実現する可能性を秘めています。しかし、オールペロブスカイトタンデム太陽電池の場合、全ての層を一括して成膜する従来の製法では、13層程度の精密な成膜が必要となり、製造プロセスが複雑化する課題がありました。この複雑性は、デバイスの大面積化や高い生産歩留まりの確保を困難にし、実用化への障壁となっていました。

東京大学による新アプローチと成果

東京大学の研究グループは、この課題に対し、順構造のトップセルと逆構造のボトムセルをそれぞれ独立して作製し、後工程でこれらを結合するという新しいアプローチを開発しました。この方式では、各セルに必要な成膜層を約5層に削減できるため、製造プロセスが大幅に簡素化され、工業化への適合性が向上します。独立したセルを組み合わせることで、各セルの性能を最適化しやすくなり、結果として30.2%という高い光電変換効率を安定して達成することに成功しました。

技術的意義と将来展望

この技術は、従来のタンデム太陽電池の製造における複雑性を解消し、大面積化と高歩留まりの両立を実現する上で極めて重要です。特に、ペロブスカイト材料が持つ軽量性や柔軟性と組み合わせることで、建築物への一体化(BIPV)やモビリティ分野など、設置場所の制約が少ない高効率太陽電池の開発が加速されると期待されます。研究で確立された製造技術は、ペロブスカイト太陽電池の実用化を大きく前進させ、再生可能エネルギーの普及に貢献する基盤技術となるでしょう。今回の成果は、タンデム構造における界面制御とプロセス簡素化の重要性を再認識させるものです。

元記事: https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2604/27/news058.html

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