早稲田大学 亀岡潤准教授、ウイルス感染と神経伝達物質モニタリングのための革新的ウェアラブルセンサーを開発

早稲田大学 日本
概要
早稲田大学の亀岡潤准教授の研究室が、ウイルス感染モニタリング用のウェアラブル紙ベースウイルスセンサーを開発しました。このセンサーは、分子インプリント技術と導電性ポリアニリンポリマーを組み合わせることで、レンチウイルスを4181 TU/mLの検出限界で検出可能であり、乾燥状態での優れた安定性を示します。さらに、間質液中のセロトニンを検出する高感度ウェアラブル電気化学バイオセンサーの開発も進めており、診断と個別化医療の進歩に貢献する可能性を秘めています。
詳細

主要成果

早稲田大学の亀岡潤准教授の研究室は、ウイルス感染モニタリングと神経伝達物質検出という二つの重要な分野で、革新的なウェアラブルセンサー技術を開発しています。特に、ウイルス感染を検出するための紙ベースウイルスセンサーと、間質液中のセロトニンを高感度で測定するウェアラブル電気化学バイオセンサーは、医療診断と個別化医療の新たな道を拓くものです。

技術・臨床詳細

ウイルス感染モニタリング用のウェアラブル紙ベースウイルスセンサーは、分子インプリント技術(MIP)と導電性ポリアニリンポリマーを巧みに組み合わせることで、ウイルス粒子を特異的かつ効率的に検出します。研究室での試験では、このセンサーがレンチウイルスを4181 TU/mLという低い検出限界で認識できることが示されています。また、エアロゾル中では0.33%から2.90%の検出効率を達成し、乾燥状態での優れた長期安定性も実証されており、広範な環境での実用化が期待されます。MIP技術は、対象ウイルスに対する「人工抗体」として機能し、高い選択性を確保します。一方、間質液中のセロトニン検出を目指すウェアラブル電気化学バイオセンサーは、精神神経疾患や気分障害の診断・治療モニタリングにおいて、従来の血液検査よりもリアルタイムで侵襲性の低いデータ提供を可能にします。このセンサーは、体液中の微細なセロトニン濃度変化を電気化学的に検出し、個人の生理状態やストレスレベルを客観的に評価する潜在力を持ちます。

背景・業界文脈

現在のウイルス感染症診断は、PCR検査などのラボベースの検査が主流であり、結果が出るまでに時間がかかることや、現場での迅速診断が難しいという課題があります。ウェアラブルウイルスセンサーは、この課題を克服し、パンデミック時のスクリーニングや、特定集団の継続的なモニタリングに革命をもたらす可能性があります。また、精神神経疾患の診断と治療においては、神経伝達物質のリアルタイムモニタリングが不可欠ですが、これまでは侵襲的な手法が主でした。ウェアラブル電気化学バイオセンサーは、患者の負担を軽減しつつ、より詳細な生理学的データを提供することで、個別化された治療戦略の策定に大きく貢献することが期待されています。

今後の展望

亀岡准教授の研究室は、これらのウェアラブルセンサー技術のさらなる最適化と臨床検証を進めていく方針です。紙ベースウイルスセンサーは、インフルエンザウイルスやCOVID-19ウイルスなど、より広範な病原体への応用を目指し、間質液セロトニンセンサーは、うつ病や不安障害などの精神神経疾患における臨床試験での有効性評価が次のステップとなるでしょう。これらの技術が実用化されれば、感染症の早期発見・封じ込め、そして精神疾患患者のQOL向上に大きく貢献し、遠隔医療と個別化医療の新たなフロンティアを開くことになります。

元記事: https://w-rdb.waseda.jp/html/100003445_en.html

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