日産、オックスフォード大学、Gelionが英国政府より340万ポンドを獲得し、次世代硫黄系全固体電池開発で提携

Industry News イギリス
概要
日産、オックスフォード大学、そしてGelionは、イノベートUKからの340万ポンドの資金援助を受けて、電気自動車向け次世代全固体電池の開発を加速するための3年間の戦略的提携「CoRe-SoLiS」を締結しました。このプロジェクトは2026年6月に開始され、GelionのNano-Encapsulated Sulfur (NES™) 技術を利用して、重要な希少鉱物を代替する固体電解質システムを開発します。この提携は英国の製造能力を強化し、NES™が既存および次世代の生産ラインに「プラグ&プレイ」で導入可能なソリューションを提供することで、将来の商業化への道筋を示すことが期待されます。
詳細

主要成果

日産、オックスフォード大学、および豪州のバッテリー技術企業Gelionは、英国政府のイノベートUKから340万ポンド(約6億4,000万円)の助成金を受け、次世代の硫黄系全固体電池を開発するための3年間の戦略的協業プロジェクト「CoRe-SoLiS」を立ち上げました。このプロジェクトは2026年6月に開始され、特に電気自動車(EV)への応用を目指し、希少鉱物への依存を減らすことを目標としています。この提携は、英国のバッテリー製造エコシステムを強化し、世界的なEV市場における競争力を高める上で重要な役割を果たすと期待されています。

技術・臨床詳細

CoRe-SoLiSプロジェクトの核心は、Gelionが開発した独自のNano-Encapsulated Sulfur (NES™) 技術を全固体電池システムに統合することです。NES™は、リチウムイオン電池の正極材料に含まれるコバルトやニッケルといった高価で供給リスクのある希少鉱物を代替することを可能にします。これにより、バッテリー製造のコスト削減と持続可能性の向上が期待されます。Gelionの技術は、既存のバッテリー生産ラインに比較的容易に導入できる「プラグ&プレイ」ソリューションとして設計されており、全固体電池技術の商業化における重要な障壁の一つである製造プロセスの適合性を解決することを目指しています。

背景・業界文脈

全固体電池は、既存のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度、安全性、耐久性において優位性を持つ次世代バッテリー技術として注目されています。特にEVにおいては、航続距離の延長や充電時間の短縮に大きく貢献すると期待されており、世界中の自動車メーカーやバッテリー企業が開発競争を繰り広げています。英国政府は、バッテリー技術への戦略的投資を通じて、国内のイノベーションと製造基盤を強化しようとしており、今回のCoRe-SoLiSプロジェクトはその一環です。日産は、英国におけるEV生産拠点であるサンダーランド工場を将来的に全固体電池の生産拠点とすることも視野に入れており、この技術開発がその基盤となると考えられます。

今後の展望

この3年間のプロジェクトを通じて、GelionのNES™技術を用いた硫黄系全固体電池の実証と最適化が進められます。成功すれば、2020年代後半から2030年代初頭にかけてEV市場での商業化が見込まれ、英国が次世代バッテリー技術の主要な供給拠点となる可能性を秘めています。また、希少鉱物への依存度を下げることは、サプライチェーンの安定化にも繋がり、地政学的リスクを低減する効果も期待されます。研究者にとっては、硫黄系電解質の課題であるサイクル安定性や体積変化の制御に関するブレークスルーが期待され、エンジニアにとっては、既存製造ラインへの統合容易性という設計思想が今後の生産技術の方向性を示すものとなります。

元記事: https://cop31tr.com/nissan-oxford-and-gelion-partner-to-develop-next-generation-solid-state-ev-batteries/

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