先進パッケージ基板市場が過熱:Ibidenが5000億円投資でリード、Samsung Electro-Mechanicsがガラス基板で挑戦、技術課題も顕在化

MK 日本
概要
AI半導体の性能を決定づける重要なコンポーネントであるパッケージ基板市場が過熱しており、日本のIbidenが約35%の市場シェアで圧倒的なリーダーシップを維持しています。同社はAIサーバー向け高性能ICパッケージ基板の生産能力増強のため、2026年度から2028年度までの3年間で総額約5000億円(約32億ドル)を投資することを決定しました。これに対し、Samsung Electro-MechanicsはFC-BGA製品と次世代ガラス基板でIbidenに挑戦を表明し、Shinko Electric Industriesが約18%、台湾のUnimicronが約14%のシェアを占めるなど競争が激化。一方、IbidenはThrough-Glass Vias(TGV)の技術的障壁が2030年まで解消されないと予測し、ガラスインターポーザを使用するCoPoSの商業化も困難であると指摘しており、有機基板の反り問題も深刻化しています。
詳細

主要成果

人工知能(AI)半導体の性能を決定する中核部品である先進パッケージ基板市場が、大規模な投資と技術競争で過熱しています。日本のIbidenが約35%の市場シェアで圧倒的なリーダーシップを維持し、AIサーバー向け基板に約5000億円(約32億ドル)を投資する一方で、Samsung Electro-Mechanicsが次世代ガラス基板で挑戦を表明し、技術的課題も顕在化しています。

技術・市場詳細

AIチップの性能向上に伴い、CPU、GPU、高帯域幅メモリ(HBM)を統合する先進パッケージング基板は、より高い配線密度、優れた電気特性、および熱管理能力が求められています。現在の市場では、日本のIbidenが約35%のシェアを誇り、Shinko Electric Industriesが約18%、台湾のUnimicronが約14%と続き、上位企業が市場を牽引しています。Ibidenは、この急増する需要に対応するため、2026年度から2028年度までの3年間で総額約5000億円をAIサーバー向け高性能ICパッケージ基板の生産能力増強に投じる計画です。この投資は、主にFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)基板の高性能化と生産能力拡大に充てられます。

一方、韓国のSamsung Electro-Mechanicsは、この市場での存在感を高めるべく、高機能FC-BGA製品に加え、次世代のガラス基板技術に注力し、Ibidenへの挑戦を表明しています。ガラス基板は、有機基板と比較して高い寸法安定性、低熱膨張係数(CTE)、低誘電損失という利点があり、特にAIチップの大型化と高密度配線化において有望視されています。Samsung Electro-MechanicsやShinko Electric Industriesは、このガラス基板分野での技術開発と市場参入を加速しています。

しかし、ガラス基板技術の実用化にはまだ高い障壁が存在します。Ibidenは、Through-Glass Vias(TGV)の技術的課題が2030年まで解決されないと予測しており、ガラスインターポーザを使用するCoPoS(Chip on Package on Substrate)の本格的な商業化もそれ以前には困難であると見ています。また、AIチップのパッケージ面積が増加するにつれて、従来の有機基板では、基板の反り問題が深刻化しており、これはABF(Ajinomoto Build-up Film)などの材料とシリコンウェーハ間の熱膨張係数のミスマッチに起因しています。

  • **Ibidenの投資:** AIサーバー向けICパッケージ基板に3年間で約5000億円を投資し、FC-BGA生産能力を強化。
  • **Samsung Electro-Mechanicsの挑戦:** FC-BGAに加え、次世代ガラス基板でIbidenに対抗。
  • **ガラス基板の技術課題:** TGV技術の未成熟やCoPoSの商業化遅延が予測される。
  • **有機基板の限界:** AIチップ大型化に伴う基板の反り問題が顕在化。

背景・業界文脈

AIチップの高性能化は、パッケージング技術の限界を常に押し上げています。従来のパッケージング技術では、AIアクセラレータやHBMの統合によって生じる熱、信号損失、電力効率の問題に対応しきれなくなっています。そのため、有機基板の進化とガラス基板のような新材料への移行が業界全体の喫緊の課題となっています。特に日本と韓国の企業がこの分野で技術的リーダーシップを競い合っており、その動向は世界の半導体サプライチェーンに大きな影響を与えます。

今後の展望

Ibidenの巨額投資は、当面の間、FC-BGA基板市場における同社の優位性を維持するでしょう。一方で、Samsung Electro-Mechanicsが主導するガラス基板技術の開発競争は、中長期的にパッケージング市場の勢力図を塗り替える可能性があります。TGVやCoPoSといったガラス基板技術の課題が解決されれば、AIチップの性能はさらに向上し、新たな設計の自由度をもたらすでしょう。業界は、有機基板の限界と新材料の可能性の間でバランスを取りながら、AI時代の要求に応える最適なパッケージングソリューションを模索し続けることになります。この競争は、AI技術の進化と半導体産業の持続的な成長を加速させる原動力となるでしょう。

元記事: https://www.mk.co.kr/en/business/12101118

毎週の技術動向レポートを無料でお届け

各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。

📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)

ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。

  • 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
  • 第三者へ提供することはありません。
  • 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。

詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

登録は1分・いつでも解除できます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次