ナノメートルスケールの超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発、透明性と効率を両立

Compound Semiconductor News / NTU Singapore / PV Magazine / The Straits Times シンガポール
概要
シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究チームは、わずか10ナノメートルという超薄型のペロブスカイト太陽電池を開発しました。これは従来のペロブスカイト太陽電池の約50分の1の薄さです。真空熱蒸着法を用いて製造されたこのデバイスは、不透明な状態で最大12%の効率、半透明な状態では7.6%の効率と41%の可視光透過率を達成しました。この革新は、建物一体型太陽光発電(BIPV)やフレキシブルな軽量アプリケーション、特に窓ガラスを電源として活用する新たな可能性を拓きます。
詳細

背景

太陽電池の利用範囲を拡大するためには、従来の重く不透明なモジュールだけでなく、軽量でフレキシブル、そして透明なデバイスが求められています。特に、建物の窓や外壁など、これまで太陽電池の設置が難しかった場所への応用を可能にする建物一体型太陽光発電(BIPV)の需要が高まっています。ペロブスカイト太陽電池は、その高い光電変換効率と溶液プロセスによる製造の容易さから、次世代太陽電池として有望視されていますが、更なる薄型化と透明性の両立が課題でした。

主要な研究内容

シンガポール南洋理工大学(NTU)の研究チームは、画期的な超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発しました。このデバイスは、厚さが最小でわずか10ナノメートルと、既存のペロブスカイト太陽電池の約50倍も薄いという特徴を持ちます。この極薄化は、真空熱蒸着法という高度な製造技術を用いることで実現されました。

  • 超薄型構造: 10nmという驚異的な薄さは、デバイスのフレキシビリティを大幅に向上させ、設置場所の自由度を広げます。
  • 効率と透明性の両立:
    • 不透明デバイスとして:最大12%の電力変換効率を達成。
    • 半透明デバイスとして:7.6%の変換効率と41%という高い可視光透過率を両立。これは、窓ガラスとして機能しながら発電できる可能性を示します。
  • 真空熱蒸着法: この製造方法は、溶液プロセスと比較して、より均一で高品位な薄膜形成が可能であり、大面積化や安定性向上にも寄与する可能性があります。

影響と展望

この超薄型で半透明なペロブスカイト太陽電池の開発は、太陽光発電の応用範囲を劇的に拡大する可能性を秘めています。特に、建物一体型太陽光発電(BIPV)市場において、窓、ファサード、屋根材など、あらゆる建築表面を発電体に変えることができます。これにより、都市部のエネルギー自給率向上や、美的要求の高い建築デザインへの統合が容易になります。また、軽量性から、ドローン、ウェアラブルデバイス、IoTセンサーなど、電力供給が課題となるモバイル・フレキシブルなアプリケーションへの展開も期待されます。この技術は、再生可能エネルギーの統合と普及を加速させ、より持続可能な社会の実現に大きく貢献するでしょう。

元記事: https://compoundsemiconductor.net/article/124224/Singapore_team_makes_ultrathin_perovskite_solar_cells

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