主要成果
三菱ケミカルは、先端半導体パッケージにおける重要な課題である「反り」を抑制する革新的な負熱膨張性フィラー「M-Filleris™ NTE」を商用化することを発表しました。この新材料は、特にAIサーバーや高性能コンピューティング(HPC)向けの高集積化・高発熱化が進む半導体デバイスにおいて、熱応力によるパッケージ変形を防ぎ、信頼性向上に大きく貢献します。
技術・臨床詳細
- 「M-Filleris™ NTE」は、独自の材料設計により、加熱時に収縮する特性(負熱膨張)を示します。これを半導体封止材に添加することで、封止材と半導体チップ、基板など異なる材料間の熱膨張係数の差を相殺し、冷却時に発生する反りを最小限に抑えます。
- 特にAIサーバーやHPC用の半導体では、高性能化に伴い発熱量が飛躍的に増大しており、それに伴う熱応力管理が喫緊の課題となっています。このフィラーは、このような過酷な動作環境下でのパッケージの安定性を確保し、デバイスの長寿命化と信頼性向上に寄与します。
- 同社は2026年度末までに先行製品の販売を開始し、市場からのフィードバックを得ながら、2027年度下期には量産体制を確立する計画を進めています。
背景・業界文脈
半導体業界では、ムーアの法則に加えて、より多機能で高性能なデバイスを実現するための先進パッケージング技術(2.5D/3D積層など)の開発が加速しています。これらの技術では、異なる材料を積層するため、熱膨張係数のミスマッチが原因で発生するパッケージの反りが、製造プロセスでの歩留まり低下や最終製品の信頼性問題を引き起こす重大な課題となっています。三菱ケミカルのこのソリューションは、こうした業界全体のニーズに応えるものです。
今後の展望
「M-Filleris™ NTE」の商用化は、AIサーバーやHPC市場の成長を材料面から支える重要な一歩となります。反り抑制は、より微細なプロセスでの接合精度を高め、高度なパッケージング技術の採用をさらに促進する可能性があります。三菱ケミカルは、この技術を足がかりに、半導体製造サプライチェーンにおけるキープレーヤーとしての地位を強化し、次世代半導体技術の進化に貢献していくことが期待されます。将来的には、より広範な電子デバイスへの応用も視野に入れた開発が進められるでしょう。
元記事: https://www.mcgc.com/english/news_release/02751.html
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