ストラスクライド大学主導の国際チーム、200万ユーロのEU資金で長距離量子ネットワーク向け量子メモリを開発

University of Strathclyde イギリス
概要
ストラスクライド大学が主導する国際研究チームは、EUから200万ユーロ(約2.9億円)の資金提供を受けたAL FreSQOプロジェクトの一環として、長距離量子ネットワーク向けの量子メモリを開発しています。冷原子を基盤とするこれらの量子メモリは、量子リピーターデバイス内でデータをバッファリングし、長距離伝送における信号損失を軽減するように設計されています。このプロジェクトは、セキュアな通信と英国国家量子戦略を支援するため、フリースペース光リンクや波長変換技術を探索しており、極低温システムへの依存を低減することを目指します。
詳細

主要成果

ストラスクライド大学が主導する国際研究チームは、EUが資金提供するAL FreSQOプロジェクト(総額200万ユーロ)の一環として、長距離量子ネットワークに不可欠な量子メモリの開発に取り組んでいます。この量子メモリは冷原子技術を基盤としており、量子リピーターデバイスの性能を大幅に向上させ、量子通信の距離と信頼性を高めることを目指しています。

技術・臨床詳細

  • 冷原子を用いた量子メモリ: 開発されている量子メモリは、極低温に冷却された原子を利用して量子情報を一時的に保存します。これにより、光ファイバーを介した量子信号の減衰や損失を補償し、長距離での量子エンタングルメントの維持を可能にします。
  • 量子リピーターデバイスへの応用: これらの量子メモリは、量子リピーターデバイスの中核コンポーネントとして機能します。量子リピーターは、信号を増幅できない量子通信の課題を解決するために、エンタングルメントの「中継」を行うことで、非常に長い距離での量子ネットワークを実現します。
  • フリースペース光リンクと波長変換: プロジェクトでは、光ファイバーだけでなく、フリースペース光リンク(FSO)を用いた量子通信の可能性も探求しています。また、波長変換技術を導入することで、異なる物理システム間で量子情報を効率的にやり取りし、既存の通信インフラとの互換性を高めるとともに、一部の極低温システムの必要性を低減することを目指しています。

背景・業界文脈

量子ネットワークは、究極的にセキュアな通信や分散型量子コンピューティングを実現するための基盤技術です。しかし、量子信号は長距離を伝送する際に非常に脆弱であり、量子情報の損失が大きな課題となっています。量子リピーターとそれを構成する量子メモリは、この課題を克服し、都市間、さらには大陸間の量子通信を可能にするための重要な要素として認識されています。

今後の展望

AL FreSQOプロジェクトによって開発される量子メモリ技術は、英国の国家量子戦略およびEU全体の量子技術ロードマップにおいて重要な役割を果たすことが期待されています。この技術の実用化は、セキュアな国家通信インフラの構築を加速させ、金融、防衛、政府などの分野におけるデータセキュリティを大幅に向上させる可能性を秘めています。将来的には、より広範な量子インターネットの基盤として、国際的な情報共有や協力体制の強化にも貢献すると見込まれます。

元記事: https://www.strath.ac.uk/whystrathclyde/news/2026/memoriestoenablelong-distancequantumnetworks/

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