主要成果
中国の電池大手CATLは、長安汽車と共同で、世界で初めて量産型ナトリウムイオン電池を搭載した乗用EV「Changan Nevo A06」を発表し、EV向けナトリウムイオン電池「Naxtra」の本格的な量産を開始しました。この革新的なバッテリーは、キロワット時あたり59ドルという驚異的な低コストを実現し、-40℃の極低温環境下でも90%の容量を維持する優れた性能を発揮します。この進展は、手頃な価格で高性能な気候対応型EVソリューションの普及に大きく貢献するものです。
技術・臨床詳細
- **Naxtraナトリウムイオン電池**: CATLが開発した「Naxtra」は、エネルギー密度175 Wh/kgを達成し、従来のリチウムイオン電池(特にLFP)に匹敵する性能を、より安価な材料で実現します。この電池は、10,000回以上の充放電サイクルが可能であり、長期的な耐久性も確保されています。
- **低コスト化**: ナトリウムはリチウムに比べて地球上に豊富に存在し、資源コストが大幅に低いため、電池パック全体のコストを59ドル/kWhまで削減することに成功しました。CATLは、2026年末までにナトリウムイオン電池のコストがLFP電池と同等になると予測しており、将来的にはさらに低下する見込みです。
- **優れた低温性能**: -40℃という極めて低い温度でも90%の容量を維持できる性能は、寒冷地でのEV利用における主要な課題の一つを解決します。これは、電解液や電極材料の最適化によって実現されたものです。
- **ハイブリッドバッテリー「Freevoy Super Hybrid Battery」**: プラグインハイブリッド車向けには、ナトリウムイオンとリチウムイオン技術を組み合わせた「Freevoy Super Hybrid Battery」も発表されました。これにより、最大249マイル(約400km)の全電気走行距離、向上した低温性能、そして10分で最大174マイル(約280km)を充電できる超高速充電機能を提供します。
- **生産体制の拡大**: CATLは、ナトリウムイオン電池の需要増加を見込み、ハンガリーのデブレツェンに82億ドルを投じて新製造施設を建設しており、年間約25万台のEVに電力を供給可能な4つのバッテリーモジュールラインを稼働させる計画です。また、中国国内では寧徳市に40GWh、済寧市に160GWhのナトリウムイオン生産能力を計画しています。
背景・業界文脈
電気自動車市場は成長を続ける一方で、リチウム価格の変動やサプライチェーンの地政学的リスクが課題となっています。ナトリウムイオン電池は、リチウム、コバルト、ニッケルなどの希少金属への依存度を減らすことができ、より安価で持続可能な代替手段として注目されています。CATLの今回の発表は、ナトリウムイオン電池が研究段階から量産・実用化の段階へ移行し、EV市場におけるゲームチェンジャーとなる可能性を示しています。特に低価格帯EVや、データセンターのバックアップ電源など、大規模なアプリケーションでの採用が期待されます。
今後の展望
CATLは、ナトリウムイオン電池の量産化と市場投入により、EV市場の裾野を広げるとともに、世界的なエネルギー転換に貢献することを目指しています。同社は2028年までに中国全土で10万箇所の充電・バッテリー交換ステーションを建設する計画も進めており、インフラ整備とバッテリー技術の両面からEV普及を加速させる戦略です。ナトリウムイオン電池のコスト競争力と性能向上がさらに進めば、既存のLFP電池市場を侵食し、新たな市場セグメントを創出する可能性も秘めています。
元記事: https://www.karmactive.com/sodium-ion-ev-mass-market-changan-nevo/
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