主要成果
Nautilus Technologies、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)、東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、富士通株式会社、そして1FINITYの6社が共同で、次世代の分散AI処理インフラのデモンストレーションプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、電力会社が保有する既存の光ファイバー網と、富士通および1FINITYが提供する先進的な通信機器を組み合わせて「オールフォトニクスネットワーク(APN)」を構築し、地理的に分散した環境下でのAI処理の有効性を検証することを目的としています。
技術詳細と実証実験の内容
- オールフォトニクスネットワーク(APN): 光信号のままデータを伝送・処理するネットワークであり、電気変換を最小限に抑えることで、超低遅延と高帯域幅を実現します。本プロジェクトでは、電力会社の広域光ファイバー網を活用し、APNを構築します。
- 1FINITY製光ネットワークインターフェースカード(NIC): 1FINITYが開発中のこのNICは、サーバーを直接光信号でネットワークに接続し、最大100km以上の距離でもサーバー間の直接通信を可能にします。これにより、遠隔地のデータセンターやAIリソースをあたかも同一拠点にあるかのように連携させることが可能になります。
- 分散AI処理: 複数のデータセンターやエッジデバイスにAI処理を分散させることで、計算リソースの効率的な利用、レイテンシーの削減、データセキュリティの強化を図ります。この実証実験では、大規模なAIモデルの分散トレーニングや推論タスクが、APN上でどのように効率的に実行されるかを検証します。
- 「KYOJO CUP」との連携: 実証実験の環境構築とデータ取得に、女性ドライバーによる自動車レース「KYOJO CUP」のデータを活用します。これにより、モータースポーツのようなリアルタイム性が求められる環境下での分散AI処理の性能を評価します。
背景と業界文脈
AI技術の発展に伴い、その計算リソースへの要求は飛躍的に増大しています。単一のデータセンターでは処理しきれないほど大規模なAIモデルや、低遅延が求められるエッジAIアプリケーションの登場により、AI処理を地理的に分散させるニーズが高まっています。電力会社が保有する光ファイバー網は、日本全国に広がる広大なインフラであり、これを活用することで、新たな超高速・低遅延の通信基盤を構築する大きな可能性を秘めています。この取り組みは、日本が提唱するIOWN構想の具体化にも貢献するものです。
今後の展望
本実証実験の成功は、分散AI処理インフラの実現に向けた重要な一歩となります。100kmを超える距離でのサーバー間直接光接続は、遠隔地間のデータセンター連携を革新し、AI、IoT、5Gなどの次世代技術の発展を大きく加速させるでしょう。将来的に、このようなAPNと光NICを組み合わせたインフラは、自動運転、スマートシティ、デジタルツイン、高度医療といった分野での新たなサービス創出に貢献し、日本のデジタル競争力向上に寄与することが期待されます。投資家は、電力インフラと通信技術の融合による新たな市場機会に注目すべきです。
元記事: https://jp.ibtimes.com/nautilus-fujitsu-launch-kyojo-cup-linked-distributed-ai-network-trial-103070
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