主要成果
Oxford PVとドイツのフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(Fraunhofer ISE)は、共同で開発した瓦型(shingled)設計のペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池モジュールにおいて、世界トップクラスの25.6%という高変換効率を達成しました。この成果は、量産を視野に入れたモジュール技術としては極めて高い水準であり、次世代太陽電池の商業化に向けた重要な一歩となります。
技術・臨床詳細
今回達成された効率25.6%は、特に「Matrix Shingle」と名付けられた新しいモジュールアーキテクチャによるものです。この技術は、個々のセルを重ね合わせて接続することで、従来のワイヤーグリッド構造に伴う抵抗損失を最小限に抑えます。これにより、モジュール全体の電力損失が低減されるだけでなく、モジュール内部での銅配線の必要性がなくなるため、製造コストの削減にも寄与します。また、この瓦型構造は、モジュールの一部が陰影になった際でも全体の発電性能が大きく低下しにくいという利点があり、実環境下での安定したエネルギー供給が期待されます。
背景・業界文脈
ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン太陽電池の理論限界を超える効率を実現できる可能性から、太陽光発電業界で最も期待される技術の一つです。特にペロブスカイトとシリコンを積層するタンデム型は、太陽光スペクトルをより効率的に利用できるため、変換効率の大幅な向上が見込まれています。Oxford PVは、この分野のリーディングカンパニーとして、2024年6月にはすでに26.9%の効率を達成した最初のペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池モジュールを発表しており、今回の成果はその量産化技術の確立に向けた進展を示しています。研究室レベルの効率から商用モジュールの効率へとギャップを埋めることが、業界全体の課題となっています。
今後の展望
Oxford PVは、今年中に26%の変換効率を持つ製品を市場に投入する計画を表明しており、2027年までには30%を超える効率と、30年という実用的な長寿命を達成することを目指しています。今回の瓦型モジュール技術の成功は、このロードマップの実現可能性を高めるものです。抵抗損失の低減と部分的な陰影への耐性向上は、太陽光発電システムの設置場所の選択肢を広げ、さまざまな環境下での発電効率を高めることで、再生可能エネルギーの普及をさらに加速させる潜在力を持っています。この技術は、住宅用から大規模発電所まで、幅広い用途での採用が期待されます。
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます

コメント