新規メソゲン含有エポキシモノマーが熱伝導性ポッティングコンパウンドの特性を向上、熱伝導性と信頼性の両立に貢献

MDPI スイス
概要
熱伝導性エポキシポッティングコンパウンドの特性を調整するため、メソゲン含有反応性エポキシモノマー(LCE)が設計・合成され、市販の熱伝導性エポキシポッティングコンパウンドに組み込まれました。この研究は、熱伝導率、レオロジー特性、機械特性、および破断面形態の制御に成功し、熱伝導性と加工性、信頼性の両立という長年の課題に対する有望な解決策を提示します。LCEの導入により、高性能電子デバイスの熱管理における新たな道が開かれ、その耐久性向上に寄与します。
詳細

主要成果

熱伝導性エポキシポッティングコンパウンドの性能を最適化するため、新たにメソゲン含有反応性エポキシモノマー(LCE)が設計・合成され、市販の熱伝導性エポキシポッティングコンパウンドに組み込まれました。この革新的なアプローチにより、ポッティングコンパウンドの熱伝導率、レオロジー特性、機械特性、および破断面形態を効果的に調整できることが実証されました。これにより、電子部品の熱管理において、熱伝導性と同時に優れた加工性と長期信頼性を実現するという、これまで困難であった課題に対し、重要な一歩を踏み出すことができました。

技術・臨床詳細

LCEモノマーは、液晶性メソゲン構造を分子内に持ち、これがエポキシネットワークに導入されることで、硬化後の材料内部構造に影響を与えます。この構造制御により、高熱伝導性を維持しながら、粘度などのレオロジー特性を最適化し、製造プロセスでの塗布性を向上させることが可能となります。また、破断面形態の精密な制御は、材料の応力分散能力と亀裂進展抵抗を改善し、機械的衝撃や熱サイクルに対する耐久性を高めます。従来のエポキシポッティングコンパウンドと比較して、LCEを導入した材料は、より高い熱安定性と応力緩和能力を示すことが期待され、特に高出力半導体デバイスやEVバッテリーモジュールのような厳しい熱条件下で使用される電子部品の信頼性向上に直結します。

背景・業界文脈

現代の高性能電子デバイスでは、より高い集積度と動作速度が求められる一方で、それに伴う発熱量の増大が深刻な課題となっています。効果的な熱管理は、デバイスの性能維持、寿命延長、および信頼性確保のために不可欠です。熱伝導性ポッティングコンパウンドは、電子部品から発生する熱を効率的に放熱するための重要な材料ですが、高い熱伝導性と優れた加工性、機械的信頼性を同時に実現することは技術的に困難でした。本研究は、このトレードオフ関係を打破し、次世代の電子デバイスの要求を満たす高性能熱管理材料の開発に向けた道筋を示しています。

今後の展望

メソゲン含有反応性エポキシモノマー(LCE)を組み込んだ熱伝導性ポッティングコンパウンドの技術は、電子デバイスの熱管理におけるパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めています。この技術のさらなる最適化と量産化が進めば、CPU、GPU、パワーモジュール、LED、およびEVバッテリーなどの高性能アプリケーションにおいて、デバイスの小型化、高出力化、および長期信頼性向上に大きく貢献するでしょう。特に、熱伝導性と機械的信頼性が高度に両立された材料は、自動運転システムやAIチップなどの先進技術の発展を加速させる鍵となることが期待されます。これにより、電子産業全体のイノベーションが促進される見込みです。

元記事: https://www.mdpi.com/2073-4360/18/12/1503

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