ギリアド、PD-L1陽性HR-/HER2-乳がん一次治療としてADC「トロデルビ」の適応追加を日本で申請

概要
ギリアド・サイエンシズは、抗体薬物複合体(ADC)であるトロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)について、PD-L1陽性の切除不能または再発ホルモン受容体陰性/HER2陰性(HR-/HER2-)乳がんの一次治療として、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)との併用療法における適応追加を日本の厚生労働省に申請した。この申請は国際的な第III相ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験の結果に基づいている。HR-/HER2-乳がんは予後不良で治療選択肢が限られており、新たな治療選択肢の拡大が患者の予後改善に大きく貢献すると期待される。
詳細

背景

ホルモン受容体陰性/HER2陰性(HR-/HER2-)乳がんは、通称「トリプルネガティブ乳がん」として知られ、進行が早く、再発・転移しやすい、極めて悪性度の高い乳がんです。このタイプのがんは、ホルモン療法やHER2を標的とした治療薬が適用できず、化学療法が主な治療選択肢となりますが、効果は限定的で予後不良であることが課題でした。特に、PD-L1陽性のHR-/HER2-乳がんにおいては、免疫チェックポイント阻害剤が一定の効果を示すものの、一次治療の選択肢は依然として限られており、より効果的で持続的な治療法の開発が強く望まれていました。

主要内容

ギリアド・サイエンシズ株式会社は、画期的な抗体薬物複合体(ADC)であるトロデルビ(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)について、日本の厚生労働省に対し、新たな適応追加の承認を申請したことを発表しました。今回の申請は、PD-L1陽性の切除不能または再発HR-/HER2-乳がん患者の一次治療として、免疫チェックポイント阻害剤であるキイトルーダ(ペムブロリズマブ)との併用療法を対象としています。

この適応追加申請は、国際的に実施された大規模な第III相臨床試験であるASCENT-04/KEYNOTE-D19試験の結果に基づいています。この試験では、これまで治療歴のないPD-L1陽性、HR-/HER2-の局所進行性または転移性/再発乳がん患者を対象に、サシツズマブ ゴビテカンとペムブロリズマブの併用療法を、医師が選択する化学療法とペムブロリズマブの併用療法と比較評価しました。結果として、トロデルビ併用療法が、主要評価項目および副次評価項目において統計学的に有意な改善を示したと報告されています。

トロデルビは、癌細胞の表面に存在するTrop-2タンパク質を標的とする抗体に、細胞傷害性薬物であるSN-38(イリノテカンの活性代謝物)を結合させたADCです。Trop-2は多くの上皮性悪性腫瘍で高発現しており、このADCは薬物を癌細胞に選択的に送達することで、高い抗腫瘍効果と副作用の軽減を両立させることを目指しています。

影響と展望

今回の日本での適応追加申請は、PD-L1陽性HR-/HER2-乳がん患者にとって、新たな、そしてより効果的な一次治療選択肢が提供される可能性を意味します。この種の乳がんは、積極的な治療にもかかわらず予後が不良であるため、治療オプションの拡大は、患者とその家族にとって大きな希望となります。特に、これまでの治療選択肢が限られていた状況において、トロデルビとキイトルーダの併用療法が標準治療の一部となれば、患者の生存期間延長や病状進行の抑制に大きく貢献することが期待されます。

ADC技術と免疫チェックポイント阻害剤の併用は、癌治療における相乗効果を生み出す新たなアプローチとして注目されており、この申請は、その有効性をさらに裏付けるものです。ギリアド・サイエンシズは、この領域におけるアンメットメディカルニーズに応えるべく、トロデルビの開発を積極的に進めており、日本の承認が実現すれば、多くの乳がん患者の治療に革新をもたらすことになるでしょう。

元記事: https://www.kyodo.co.jp/pr/2026-04-23_4007319/

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